憲法改正論議より政治体質の改善が日本の緊急課題

今年は憲法が公布されて75年。今日は憲法記念日。昨晩のNHKニュース7で世論調査結果を報じてました。

改正する必要がないという護憲派の減少が伝えられていました。改憲派の割合は変化がないとのことです。

憲法9条についても同様の傾向がありました。改憲すべきか悩んでいる人が増えていることがわかります。

東シナ海や南シナ海での中国の海洋進出が影響を与えていることは間違いないところです。

新型コロナが影響を与えているかどうかはニュースでは触れていませんでした。これは微妙な問題です。

緊急事態条項の創設が憲法改正の主たる論議のひとつです。新型コロナは国家の緊急事態の最たるものです。

新型コロナの猛威を憲法改正の促進材料とするような発想があるとすればこれは危険だと思います。

新型コロナに十全に対応できないのは政治が悪いのです。憲法が悪いのではないと思うからです。

政治を含めた日本社会全体の体質が緊急事態に対応できないのです。根が深い問題ということです。

政治体質にまで踏み込んだ議論をすることなく下手に憲法を変えたりすれば逆の危険性があります。

緊急事態条項があることを良いことにコロナ下でGoToキャンペーンを強行するかもしれないからです。

憲法改正論議より新型コロナにこれほど翻弄される日本の政治体質を再点検するのが先決です。

今はリアルに難問と向き合い中長期的なリスク評価を行って最適な選択肢を選ばざるを得ない時代になりました。

人口減少・少子高齢化問題はそうした難問の典型です。真剣に向き合い本気で対応策を実践すべきでした。

しかし、世代間で対立があったり財源確保のため増税が必要だったりしたため抜本解決は先送りされました。

新型コロナは人口減少・少子高齢化問題以上に日本の政治体質の欠陥を白日の下にさらしました。

行動規制も不十分、ワクチンは自国では開発できないし確保も遅れに遅れてしまってます。

パンデミックは予想されてました。リアルなリスクとして受け止めて実践的な対応策が用意できなかったのです。

人口減少・少子高齢化を長期トレンドでの忍び寄る危機だとすればパンデミックは急転直下の緊急リスクです。

後者の方が迅速果敢な対応策が必要です。問題解決を先送りしてきたつけが劇的な形で表面化してます。

政治的な指導力で英知を集めどうすればリスクを回避できるか総合的検討をすべきだったのです。

憲法改正問題とは全く無縁の政治体質の問題なのです。ここに焦点を当てて問い直さないとなりません。

想定される中長期リスクにきちんと向き合い論議し国民と危機感を共有する習慣を身に着けなければなりません。

これは日本の政治体質改善の最も中心的な課題です。新型コロナ対応を格好のテストケースとすべきです。

政府と国会の役割は特に重要です。日本の政治体質改善に向け、全力投球して責任を果たすべきです。