プロジェクトX精神に学ぶ

私は捨て身で果敢に挑戦する物語に弱いです。NHKで放送されている逆転人生もそうした番組です。

逆境をばねに這い上がる心意気に感動し同時に元気もいただけるので一挙両得です。

個人ではなくチームとして挑んだ挑戦者たちを取り扱ったNHKの番組がありました。

2000年代に放送されたプロジェクトXです。社会派番組の金字塔としてその名を刻んでます。

中島みゆきさんが歌う主題歌の「地上の星」はミリオンセラーとなり番組のもうひとつの顔でした。

NHKのBSPで高画質化され再放送されてます。「地上の星」のイントロが流れると沸き立つ感情を覚えます。

登場するのはスーパースターではなく知る人ぞ知る偉人たち、無名の戦士たちの物語でした。

ある時は日本の高度経済成長の土台を作り、またある時は危機的な災害現場で獅子奮迅の活躍をしました。

共通項は私利私欲を超えて捨て身な心構えとチームで挑戦していることだと私は見ています。

何もそこまでやらなくてもと言われながらもとことんやり抜くプロ根性に背筋がしゃんとします。

リーダーの奮闘に呼応しメンバー全員が力を合わせひとつの目標に向かって挑戦し続ける姿が心に響きます。

プロジェクトXを見ると私は町長時代に企業誘致に悪戦苦闘したことを思い出します。

チームリーダーを始め番組に登場してもおかしくないほどの面子が揃ってました。懐かしいです。

新型コロナワクチン対応はプロジェクトXで取り上げられたテーマ以上の危機対応の国家プロジェクトです。

しかしプロジェクトXのような打ち震えるような共感を覚えません。理由は明らかです。

記者会見の菅総理からは捨て身の心意気が今ひとつ伝わりません。琴線に響いて来ないのです。

国民の命より自らの立場を守ることを優先しているのではないかとの疑念が消え去らないのです。

菅総理はワクチン接種に新型コロナ対応の全てがかかっていると述べてます。それは何のためでしょうか。

総裁再選のためでも東京オリパラのためでもなく国民の命を守るためとの根本が伝わらないと国民はしらけます。

もうひとつは政府がワンチームになっているように見えないところが気がかりです。

コロナ担当の西村大臣も田村厚労大臣もいます。発信力を期待して河野大臣をワクチン担当大臣に就けました。

最近は、菅総理自らが前面に出ています。役割分担が不明瞭で一体感よりちぐはぐ感を感じてしまいます。

総理、担当大臣の役割分担を明確にしワンチームの一体感を国民に示せるよう工夫が不可欠だと思います。