新型コロナウィルス対応の政治学91~堕落から奈落へ~
昨夕の朝日新聞のデジタル版の報道によると菅総理大臣は森田前千葉県知事を官邸での昼食に招きました。
森田さんが東京オリパラについて「やるでしょ」と聞くと「おう、やるよ」と応じたということです。
「ワクチン接種を少しでも早くやって、オリンピックを目指すようなことを言っていた」とも述べたということです。
東京オリパラをめぐっては中止を求める世論が強まり極めてデリケートな問題に発展しています。
ワクチン接種で予約の電話がつながらず接種の予定が立たない高齢者が続出しているのが現状です。
この会食はおそらく森田さんの慰労を兼ねてのことだと推測しますがこの時期に官邸で行う神経がわかりません。
また、森田さんが菅総理とのやり取りをぺらぺらと暴露するのも異様です。呼ぶ方も呼ばれる方もどうかしてます。
菅総理は日本が際立って困難な危機に直面しているという認識が薄いのではないでしょうか。
未曽有の危機だという認識があれば官邸で慰労しようなんて思う心の余裕はないはずです。
忙中閑ありみたいな認識があったとすればそれは最高権力者として堕落しています。
森田知事と言えば一番印象に残るのはおととしのおととしの11月の台風15号の対応です。
千葉県は直撃を受けて大きな被害を出したにもかかわらず災害対策本部ではなく自宅に公用車で帰宅しました。
この程度の危機管理の認識の持ち主の話しを聞いたところで菅総理の参考になる知恵などあるはずはありません。
ワクチン接種をめぐっては全国の自治体で首長がこっそりと優先接種を受けていことが明るみに出てます。
理由付けが嫌らしいです。茨城県城里町の42歳の町長は自分も医療従事者だと強弁してます。
それならば事前または直後にオープンにしてその接種の基準を町民に明らかにすべきです。
国の基準では町長が優先接種を受けるという指示はありませんから当然です。抜け駆けです。
兵庫県神河町では65歳に達していない町長が集団接種初日ワクチン接種を受けたことが判明しました。
ワクチンが余ったので打ったと説明してますが理由が全く成り立ちません。事前に基準を示すべきです。
その他全国で首長が基準を明らかにしないままワクチンの優先接種を受けていたことが判明してます。
マスコミは全ての自治体の首長がずるをしていないかどうかぜひ調査報道をして欲しいと願います。
国から地方まで為政者の堕落はとどまることを知りません。嘆かわしいとしか言いようがありません。
堕落がまん延すると国も地方も緊急事態となります。日本という国全体が奈落の底に落ちてしまいます。