枯渇する保守人材
安倍前総理がポスト菅の候補者として4人の名前を挙げたことが話題になっています。
人気の河野大臣や小泉大臣、それと安倍氏に挑戦を続けた石破元幹事長の名前はありませんでした。
最初に名が挙がったのは茂木外務大臣でした。王毅中国外相との一発勝負に負けた人を挙げるとは意外でした。
安倍前総理は対中強硬派のはずです。茂木さんは共同記者会見の場で王毅外相の尖閣発言を制せられませんでした。
この手の丁々発止のやり取りは信念と瞬発力があるかどうか見分ける試練の場です。
共同記者会見で中国側の主張を垂れ流しさせたのは取り返しのつかない失策だと言えます。
続いて加藤官房長官でした。日々の記者会見で官僚がそのまま答弁しているような様子を目の当たりにしてます。
トップに立つということは自分の言葉を持つということと本来は同意義のはずです。
冷静かつ沈着は良いとしても国民とともに危機を乗り越える共感を呼び覚ますとは到底思えません。
下村自民党政調会長も名が挙がりました。安倍側近のひとりなので激励の意味もあるのかもしれません。
下村政調会長にも致命的な欠陥があります。都連会長経験者なのに女帝とも称される小池都知事に位負けしてます。
総理になっても小池都知事の後塵を拝するような逆転現象が生じる可能性は否定できません。
最後に岸田元外務大臣の名が出ました。ポスト安倍の有力候補と言われていた時期もあるだけに寂しい限りです。
岸田さんの可能性は消滅状態です。天王山の選挙と目された4月の参院広島選挙区の補選で敗れました。
地元中の地元で絶対に落としてはならない選挙で負けたのは関が原で敗れたのと一緒です。
結果的に安倍総理が名を挙げた4人の候補者は今のままでは総理総裁の任を任すには足らずということです。
1986年の夏の衆参同日選挙で当時の中曽根総理はニューリーダー3人を競わせました。
竹下、宮沢、安倍の3氏でした。2氏は総理になりました。安倍前総理の父の安倍晋太郎さんは病に倒れました。
安倍前総理が名を挙げた4人と比較して政治家としての器の違いを感じるはずです。
その前の世代には三角大福中と称された猛者が揃っていました。当時は3氏ですら小粒と評されました。
田中角栄さんをはじめ政治家が圧倒的存在感を示していた時代に比べると現状は豆粒かそれ以下になります。
日本の政治は自民党が仕切ってきました。その自民党の屋台骨を支える人材が枯渇してます。
新型コロナ対応を視れば一目瞭然のように日本全体にがたが来てます。自民党の人材不足に一因があるのは明らかです。