梶山静六元官房長官の警告

女性史研究家の宇佐美ミサ子さん宅から引き継いだ書棚の設置が終わり書籍も整理がつきました。

宇佐美さんより譲り受けた女性史関連の書籍は一か所にまとめました。ひと棚に納まりました。

課題であった子供向けの書籍は開成町内の方よりまとまった寄贈がありました。東京の方からもありました。

息子が保管していた人気の漫画本や日本歴史の漫画シリーズも並べてみました。賑やかになります。

私好みのお堅い書籍は裏の書棚に整理しました。宇佐美さんより頂戴した丸山眞男集は宝物になります。

みすず書房の現代史資料も価値あります。江戸期の貴重な資料集も本棚に並びました。

宇佐美さんの書籍や資料だけでなく我が家の書籍や資料も同時に整理したことで思わぬ効果がありました。

眠っていた資料が見つかりました。父がまとめていた旧満州での戦闘記録が見つかりました。

123師団挺身大隊の戦闘の記録です。父が詳細に記録を残してました。家宝として保管しました。

私の記者や町長時代のメモやノート類も大量に見つかりました。20年前、30年前に記憶が引き戻されました。

政治記者時代の取材メモには担当していた梶山静六さんとの書面を通じてのやり取りの記録がありました。

A4のファイルの分厚いファイルになって保管されてました。パラパラめくると当時の記憶が噴出してきます。

梶山さんは一時期小沢一郎さんと激しく対立して「一六戦争」などと称されていました。

私は政治記者の枠を大きく飛び越して梶山さんに対して私なりの精魂込めた政局提言を行ってました。

ファイルと一緒に梶山さんの小論文がありました。1999年6月の文芸春秋に発表されたものです。

タイトルは「祖国防衛論」です。翌年梶山さんは死去していますので遺言のような小論と言えます。

日本人の中に自分の国は自分で守る常識がないことを憂いてました。やみくもな軍備増強の立場ではありません。

日米安保を基軸にして日本の国益に照らして何が必要かを冷静に判断し実行できるよう法整備を訴えてました。

有事に総理を本部長とする危機管理体制を法的に支える危機管理包括法の制定を提案してました。

平時の時に有事に備える議論を徹底することがいかに大切かを繰り返し訴えています。

新型コロナにあえぐ現在の日本、梶山さんの安全保障に関する問題提起はコロナ対応にそのまま当てはまります。

平時において有事の想定をおろそかにしてしまったつけが今集中的に現れていると言えるからです。

22年前の梶山さんの警告に耳を貸していればもう少し様相は異なったと思えてなりません。