台湾への恩返しから沖縄の救済へ

アストラゼネカ製のコロナワクチン124万回分が4日に台湾に到着しました。素早い対応でした。

菅外交としては4月の日米首脳会談での日米同盟を基軸とすることに再確認に続くクリーンヒットだと思います。

台湾が必要とする分量には程遠いですので台湾当局のワクチン確保の状況を観つつ引き続きの支援を期待します。

今年は3・11、東日本大震災から10年の節目の年です。台湾から多額の義援金が送られたことを思い出します。

官民合わせると250億円ほどの義援金が送られたとされます。図抜けた数字であることを忘れてはなりません。

今回のワクチン援助はこの恩義に対する返礼の意味合いもあってしかるべきだと思います。

菅総理の口から台湾から受けて恩義に対する返礼であって当然の行為だと表明して欲しいものです。

それにしてもワクチン到着日が6月4日とは偶然の一致でしょうか。意図したとしたらなかなかの策士です。

1989年6月4日は中国北京の天安門広場で発生した民主化運動に対する中国当局の弾圧事件の日だからです。

習近平政権は天安門事件の風化を狙い一切の追悼集会を許していません。徹底した監視と封殺です。

香港において追悼を呼び掛けた民主化運動の弁護士も身柄を拘束される事態となってます。

中国がいくら経済発展しようとも自由を弾圧する国と無条件に手を握ることはあってはなりません。

常に警戒を怠らず経済を餌に食い物とされないように戦略的な対応が求められています。

その中国が核心的問題とする台湾に対し菅政権はワクチン外交で明確に意思表示をしたことになります。

3・11に対する恩返しという道義に自由と民主主義を守るという大義名分が重なりより強固な大義となりました。

そうした大義があれば堂々と台湾との連携を具体の行動として表す前例を作った訳です。

中国が台湾に対し武力による力で統合を目指すような動きに対しては断固反対することにつながります。

台湾と一番近い日本の県は沖縄県です。その沖縄県も台湾と同様新型コロナの急拡大に苦境に立たされてます。

5日は261人でした。人口10万人当たりで換算すると116人で2番目の北海道の36.5を凌駕してます。

東京都の人口は沖縄県のほぼ10倍です。東京が沖縄のようになったならばどうなるか想像ください。

日本として沖縄を救わずして日本の安全はないのです。日本にとって最も脅威の国の中国と接しているのですから。

新型コロナに翻弄されている国と新型コロナを封じ込めた国のどちらが対峙した時有利かは子供でもわかります。

沖縄のコロナを封じ込められないようで日本の安全を語るのは空疎です。菅政権の真価が問われてます。