党首討論2
9日の党首討論、1964年の東京オリンピックを振り返った菅総理の言葉が印象に残りました。
東洋の魔女と称された日本女子のバーレーボールチームは、回転レシーブを武器に鉄壁の防御を築きました。
高校生だった菅総理は球を拾うや否や回転して起き上がる超絶レシーブに目を丸くしたようです。
菅総理は、回転レシーブをするまでもなく立民党の枝野代表が撃ち込んだボールを返すことができました。
枝野代表の玉は緩くコースも想定内だったからです。他の野党の質問は時間が5分で試合になりませんでした。
東京オリパラの開催の目的にせよ開催の条件にせよはっきりしたことは例によって述べませんでした。
子供や若者に見てもらい希望や勇気を伝えたいだけではコロナ禍の中であえて開催する理由としては弱いです。
国民の命と安全を守るのが使命であって国民の命を守れなくなったら開かないは具体の説明とは言えません。
本音はもう止めるわけにはいかないと言い切りたいが開催ありきと受け取られないようにしたということだと思います。
菅総理が反撃材料として用意したのはワクチン接種の一点突破でした。秋までに完了すると言いました。
菅総理はワクチンこそが政権の命脈を保つ切り札だとしてしゃにむに接種拡大を推進してます。
支持率低迷を挽回するためにはワクチン接種の拡大が必須です。ワクチンが行き渡らないうちの選挙は悲惨です。
菅総理としては10月から11月にかけてと微妙な言い回しでワクチン接種と政局とを関連付けた匂いがします。
9日夜の報道ステーションに出演していた政治ジャーナリストの後藤謙次さんが鋭い見方をしてました。
解散の時期をぎりぎり遅くして選挙の時期にはワクチン接種が完了しているタイミングを狙ったというのです。
現下の状況で解散を打てるわけがありませんので解散も選挙も遅いに越したことはありません。
菅総理は撃たれた球を返したものの玉はふらりと上がっただけです。思わぬところから打ち返される恐れがあります。
苦渋の選択として断念を言い出すとすると小池都知事が要注意です。世論の動向を凝視していると思います。
党首討論は国家の基本問題を論じ合い国民に日本国が抱える重要問題への理解を深めるのが真の目的のはずです。
しかし、そうした目的に沿って胸襟を開いて正々堂々と議論していると感じた方はごく少数でしょう。
時間があまりに短く議論が一方通行です。菅総理が真正面から答弁しませんので議論を深めたくても深まりません。
党首討論は風前の灯火です。日本国が危機に瀕しているのに暗たんたる気持ちにさせられます。