新型コロナウィルス対応の政治学96~オリパラ猛進~
G7 で東京オリパラ開催への支持を取り付け開催への地ならしをした菅総理、胸をなでおろしていることでしょう。
日本は外圧に弱いという弱点を持ってます。それを逆手にとって外の支持を取り付けた格好です。
しかし今度の外圧はさして効果がありません。無力とは言いませんが刺身のつまに過ぎません。
開催のカギを握るのはほかでもない新型コロナウィルスだからです。ウィルスの振る舞いが全てを決します。
G7 といえども新型コロナを封じ込めることはできません。新型コロナは大国の思惑とは別次元で生存の戦略に従います。
新型コロナの振る舞いを凝視しなければなりません。二兎を追った時は必ず逆襲にあってます。
昨年秋のGoToキャンペーンが最も典型です。政府は中止へと追い込まれてしまいました。
オリパラはGoToをはるかに上回る規模で二兎を追う試みであることは言うまでもありません。
何らかの形での新型コロナウィルスの逆襲はあると見るのが常識的です。弱いところからほころびが出ます。
東京では総力を挙げて封じ込めに成功したとしても神奈川など他地域も万全とは限りません。
マラソンが行われる札幌は危険です。札幌を抑え込んでも周辺はわかりません。周辺都市を見殺しにはできません。
沖縄は今感染爆発状況で医療体制が危機的です。オリパラの時期にさらに厳しい状況にならない保証はありません。
東京でオリパラをやって沖縄を見て見ぬふりするわけにはいきません。日本中に危機は潜んでいるのです。
オリは上手く言ってもパラが危機に瀕するケースもあります。8月末から9月にかけて波が押し寄せる場合です。
パラ選手はオリアスリート以上に感染に対する注意を厳重にしなければならないと言われます。
パラだけ急きょ中止に追い込まれる事態が無いとは断言できません。その際はパラを見捨てたと批判されるでしょう。
新型コロナに対する後手後手の対応、ワクチン接種でのドタバタは国民に不安感を植え付けました。
オリパラの新型コロナ対応は上手く言って当たり前で何か事件があれば即大きな混乱を生じます。
規模が大きいうえにタイトな対応策がとられていますのでぴんと張り詰めたいとのどこかが切れれば影響は広がります。
G7 においても安全安心の大会と大見えを切った日本政府は失敗の責任を負わなければなりません。
衰退傾向が顕著な日本政府の統治能力のレベルを世界に示す場になってしまうリスクと隣り合わせです。
新型コロナウィルスは二兎を追ったとき必ずしっぺ返しをします。菅総理はあぶない橋を渡る決断をしました。