コロナ禍における神奈川県西部の人口動態の新潮流

毎月1日現在の神奈川県の市区町村別人口が神奈川新聞に掲載されます。18日付の紙面に5月1日現在の数字が出てました。

意外感を持ちました。神奈川県西部地域のうち小田原市、南足柄市、開成町、箱根町で人口が増加してました。

神奈川県西部地域では足柄上郡の開成町を除き人口減少傾向が継続していると思い込んでいました。

小田原市で36人、南足柄市13人、開成町で14人、箱根町で28人増えてました。新たな傾向です。

小田原市のホームページで人口推移グラフを見ると2021年に入り減少傾向が止まってました。

新型コロナの影響で在宅勤務が増え交通の利便性や自然環境を求めて小田原市などへの移住が増えていると見ました。

社会増だけに着目してみると小田原市と南足柄市、開成町、足柄下郡への移住者増加の傾向がはっきり読み取れます。

小田原市の社会増は139人、南足柄市で40人、開成町は14人、箱根町は36人、湯河原町も18人、真鶴町も1人増です。

湯河原町と真鶴町は亡くなる人の数の方が多いので人口が減少しているものの移住者が増えているのは新たな光明です。

一方依然として先行きが見通せないのが開成町を除く足柄上郡です。自然増はもとより社会増もありません。

深刻なのは中山間地の山北町です。5年ごとの国勢調査レベルで見ると神奈川県内の人口減少率は一番でした。

2015年から2020年比較でマイナス8.9%です。開成町が増加率はいちばんで7.8%でした。

足柄上郡は増加と減少率のそれぞれ顕著な例が併存していることになります。開成町とそれ以外の2極化傾向です。

小田原市と著名な観光地の箱根、湯河原、真鶴の3町は人口対策の戦略を定めやすくなりました。

都心からの移住の流れを着実に捉えて定住人口増対策を促進させれば人口問題に活路が開けます。

良好な住宅環境の整備はもちろん自然環境の保全、教育や文化の充実、福祉サービスの質の向上に注力すべきだと思います。

若い世代の移住が進めば自然増への期待も膨らみます。人口減に悩んできた小田原市と下郡3町は反転の光が見えました。

足柄上郡地域は厳しいです。南足柄市と開成町を除き移住の対象地に選ばれていないことは明らかです。

山北町などは自然環境は抜群なところがあり利便性もほどほどあります。ネームバリューが足らないのです。

南足柄市も含めて足柄上地域ひとつにまとまり連携して地域の魅力を発信する必要があることは確かです。

各市町ばらばらではなく共通したビジョンを持ち対応することが何より大切です。首長が指導力を発揮する場面です。