人生ノート9~企業誘致成功の秘訣~

町長を務めていて将来の財政基盤をどう整えるか頭を悩まします。法人税収は欠かせません。企業誘致に勝負をかけました。

世界経済の流れを読まなくてはなりません。田舎といっても神奈川県、地価も高いし土地も狭いです。製造業の誘致は無理です。

今後の日本の生きる道は研究開発をして付加価値の高い製品を作ることがに流れが来ると読みました。研究誘致の一点に絞りました。

お隣の南足柄市に主力工場のある富士フィルムの照準を絞りトップセールスで働きかけました。相手のトップを口説くことに力を注ぎました。

富士フィルムはトップダウンの会社です。権力者を説得できれば話は早いです。功を奏しました。トップの決断で一気に誘致が進みました。

ワンマンのトップは強気の条件を色々と付けてきます。中でもスピードを要求します。通常なら3年はかかる許認可を一年にしろと言われました。

通常の行政感覚では太刀打ちできません。担当スタッフに若手のメンバーを揃えました。リーダーには後に副町長に抜擢した盟友を充てました。

神奈川県の当時の松沢知事にも働きかけて研究開発型の企業誘致のための助成制度を創設してもらいました。うまくタイアップできました。

総額500億円近い設備投資を呼び込むことができました。2006年4月に研究所は操業開始。医薬品や化粧品の開発の拠点となりました。