新型コロナウィルス対応の政治学97~人形劇~
東京オリパラの橋本聖子会長にせよ丸川珠代担当大臣にせよお人形に過ぎないことが明確になした。
アルコール禁止をめぐるドタバタ劇によってです。コロナ禍で会場内はアルコール解禁なんてありえません。
熟慮もへったくれもなく常識を持っている人ならば誰でもそう思います。ところが2人は違いました。
アルコール解禁を検討したのです。その結果世論の反発を招くことに対する想像力がありません。
緊急事態宣言、まん延防止等の重点措置を通じて一般の飲食店はアルコールが出せなくて四苦八苦です。
それでも感染抑止のために協力をしているのです。お国の意向だからという臥薪嘗胆状態です。
オリパラスポンサーのアサヒビールの独占的販売権を過剰に配慮して検討したというのですからあ然です。
アサヒビールの方はアルコール販売自粛を会社側から事前に申し入れていたと釈明しています。
もしこれが事実ならば組織委員会の方がアサヒビールを忖度したことになります。常識外れも甚だしいです。
丸川大臣に至っては「ステイクホルダーとの関係がある」などと横文字を使って訳の分からない説明をしてました。
利害関係者とはアサヒビールのことで契約上の問題があることを重視していることを自ら語っているのです。
契約と異なる判断をすることが間違っているという発想です。こうした判断は事務当局の官僚の判断だと思います。
事務方トップは官僚の中の官僚の元財務相省事務次官の武藤敏郎さんです。武藤さんらしいと思いました。
武藤さんが開成学園の理事長を務めていた当時、開成町長と開成学園のトップということで対談したことがあります。
初めて武藤さんとお会いした印象は極めて優秀な能吏でありかつ鉄面皮だというものでした。
最終決断はしません。大臣または財務省の意向を踏まえていかようにも動くマシーンのような感じでした。
今回のアルコール提供問題では契約がどうなっているかではなく解禁したら世論がどうなるかという大局観が問題です。
世論に敏感な政治家が動いて責任を取るべき課題なのです。事務当局は責任を取れません。
橋本会長、丸川大臣は政治家でありながら自らの踊り場を心得ずに武藤事務局長の判断に従ったのでしょう。
結果はご承知の通りです。政治家が判断しなければならない時にできないのならば2人はお飾り人形に過ぎません。
丸川大臣にいたっては中身はなくても元女子アナらしい奇妙な歯切れのよさばかりが目立ち嫌悪感を覚えます。
東京オリパラは天皇陛下の懸念がますます現実のものとなりそうな雲行きです。判断し責任を取る人がいません。