天気予報のデジタルトランスフォーメーション
中島みゆきさんに「タクシードライバー」という曲があります。夢に破れた女性の情念を歌ってます。
そんな彼女を傷つけないようわざと世間話に興じようとするタクシーの運転手さんが登場します。
「天気予報が今夜も外れた話と 野球の話しばかり 何度も何度も 繰りかえす」と歌ってます。
この曲が世に出たのは2001年3月です。野球はともかく天気予報の精度が悪かったのか気になりました。
この時期の降水の有無の適中率を気象庁のホームページで見てみるとおよそ83パーセントほどです。
2020年で87パーセント程度となってますので現在に比べて大きな違いはありません。
天気予報は損な役回りで外れた時の印象の方が強いので当たらないという固定観念を持ってしまいがちです。
NHKの天気予報では27日も台風接近で梅雨前線が押し上げられて私の住む神奈川県西部は強い雨でした。
実際はほぼ曇りでした。天気予報は常に予報に重きを置きますので外れた理由について詳しい説明はありません。
精度をどの程度上げたらよいか明確に数値目標があるのかはわかりませんがあいまいなままにしておいてはなりません。
毎年数値目標を掲げて達成したかどうか達成しない場合もした場合もその根拠を明確にして欲しいです。
同時に天気予報のイメージも変えるべきです。入れ代わり立ち代わり気象予報士が解説するやり方から脱却すべきです。
予報士個々人が予報を出しているのではなく各種観測データからコンピューターが予測した結果に基づいているのです。
そうであるのならばメガーデータの集積の拡充とそれを分析するAI=人工知能の充実に力を注ぐべきです。
データがより膨大になればなるほど学ぶことが本質のAIの精度は上がるに決まっているからです。
人ではなくアバターの予報士が登場してアクセスすれば24時間予報が見れるシステムが理想です。
朝ドラの「おかえりモネ」には申し訳ないのですが気象予報士を持ちあげるドラマは時代遅れです。
デジタルトランスフォーメーションの流れに乗った新たな天気予報を創造する時だからです。
気象予報にかける人件費をデジタル開発に回し人力に過度に依存した現在の天気予報の刷新が必要です。
人が登場するのは災害発生の危険性が高まった場合に限定し、高度の解説が可能な少数精鋭主義に転じるべきです。
天気予報は様々なデータ分析をコンピューターが行いその確率を示していることへの国民の理解を促すべきです。
9月にデジタル庁が発足します。天気予報もデジタルトランスフォーメーションの重要課題に入れて欲しいです。