盛り土の闇を暴けるか
熱海の土石流が人災である可能性が高まりました。届け出を順守せずに盛り土工事をした可能性があります。
静岡県の記者会見で驚くべき事実が明らかになりました。3万6千立米ほどとされた盛り土が量が合わないのです。
土石流が最初に発生したとみられる地点から流れ出た土砂の量は5万5千立米程度とされます。
申請時点では実施するとされていた排水設備が適切に設置されていたかどうかも不明だというのです。
しかも土砂の中には産業廃棄物などが混ざっていることが判明し行政から是正措置を受けたこともわかりました。
盛り土工事を申請した小田原の不動産会社は熱海市内の別の場所の土木工事でも土砂崩れを起こしたと報じられました。
工事の過程で今回の大惨事につながる危険性を行政は察知できたのではないかという疑念は当然出ます。
現在の土地所有者から弁護の受けた弁護士がインタビューに応え所有者は盛り土とは知らなかったと発言してます。
にわかには信じられません。疑惑を一層深めてしまいました。闇の中の話しが土石流で表に出てしまった感があります。
以上の情報を聞いただけでも危ない匂いがプンプンします。行政が責任を持って調査すべき案件です。
結果として届け出とは異なる形で盛り土が強行されてしまったことになりますので行政の管理責任も問われます。
行政は調査の節目ごとに情報公開をしつつ自らの責任も含めて明らかにする責任があります。
調査の中心となるのは静岡県です。窓口である熱海市だけでは手に負える案件ではありません。
川勝知事はいち早く現場の視察に駆け付けました。人災の可能性が高いことを目の当たりにしたはずです。
当面は静岡県が中心となり国土交通省の協力を得て調査を進め情報を公開していく必要があります。
どう考えても闇の中で何かが蠢いて違法な土木工事が進行してしまったとしか思えません。
強力な圧力を行政にかけることができる背景を持っていて行政の腰が引けていた可能性もあります。
仮に強引な工事があってそれを最終的に見逃していたとすれば行政の責任は免れません。
行方不明者の救出作業と同時進行とはなりますが原因究明は断じておろそかにしてはならない作業です。
刑事事件に発展する可能性もあります。将来の損害賠償事件となる可能性も当然あります。
行政は自らの責任を問われることになる可能性がありますがそこは逃げずに対応する責務があります。
いずれ国や専門家を交えて特別調査チームの発足を期待します。徹底究明が不可欠な人災の可能性が強いからです。