追い詰められた菅総理

NHKの最新の世論調査、菅政権の内閣支持率は33%、不支持は46%です。読売新聞は37%と53%です。

内閣の存続に注意信号が灯ってます。20パーセント台となると信号は赤に変わると一般的に言われます。

新型コロナ対応に不満が募っていることは間違いないところです。ここにきてワクチン接種に混乱が生じてます。

東京オリパラを強行する姿勢を示し最終的には大半が無観客開催となった経緯に対しても違和感を持っていると思います。

総理は影の仕切り役ではなく表看板です。国民に直接メッセージを発し国民の理解と協力を得なければなりません。

自民党総裁でもあります。こちらの役割は選挙の際の顔です。選挙を仕切るのは幹事長です。

菅総理は国民へのメッセージの発信力、選挙の顔双方に弱点を抱えています。自分の言葉が無いからです。

暗い表情でたどたどしく原稿を読む姿からは国民に元気を与えるなんてことはできるはずがありません。

有権者の心をわしづかみにするなんてことは夢のまた夢です。今なお影の政治家としての色彩が強過ぎます。

4月の衆参補欠選挙で全敗した後7月の都議選で予想外の苦戦を自民党は強いられてしまいました。

28議席から33議席では第一党になったとはいえ勝利とはほど遠いです。事前の予測と大きく異なりました。

今回の選挙は公明党とよりを戻し自公協力で戦ったのにもかかわらずこの結果であった衝撃は大きいです。

菅総理には選挙の顔として活躍の場は乏しかったと言われます。集票の促進剤にならないからです。

衆院選の前に菅総理には大きな壁が立ちはだかってます。ひとつはもちろん東京オリパラです。

緊急事態宣言下で行われるオリンピック、無事に行って当たり前、トラブルが起これば責任を問う声が起こります。

パラリンピックの方はより細心の注意が必要です。パラの直前に感染が急拡大というピンチもあり得ます。

もうひとつの大きな壁は横浜市長選挙です。横浜市は菅総理の権力行使の源泉の場のひとつです。

林文子市長に代えて小此木八郎前国家公安委員長を市長の座に据えようとした策略は思惑通りに行きません。

小此木さんは看板政策のカジノを含むIR=統合型リゾートの誘致をかなぐり捨ててまで権力奪取を目指しました。

カジノ推進の林市長は立候補へと動き自民党内は分裂選挙となってしまいました。痛恨の失策です。

市長選の行方は混とんとしてます。小此木さんを落とせば菅総理の地元の求心力は陰りを見せます。

衆議院選挙を前にしておひざ元から権力基盤が崩れることになります。菅総理は追い詰められてます。