混沌の横浜市長選挙揃い踏み

松沢成文前神奈川県知事が出馬会見し有力候補者10人が揃いました。稀に見る混沌状況の中の地方選挙です。

松沢さんはカジノ禁止条例を打ち上げました。カジノ推進の日本維新の会の参議院議員であるのも関わらずです。

大阪でもカジノ禁止運動をしないのかと首を傾げますが大阪と横浜は違うと言うことです。

このような詭弁を弄してまで市長選挙で有利な状況を作ろうとしている姿勢には疑問を感じます。

横浜市長選挙は、単なる市長選挙とは訳が違います。日本最大の基礎自治体横浜市の未来構想を賭けた選挙です。

日本全体の地方自治に与える影響は大きいものがあります。国の鳴り物入りの政策に断が下されます。

カジノを含み統合型リゾート施設の誘致は菅総理の看板政策のひとつでおひざ元の横浜市への誘致を進めてきました。

市民から根強い反対運動が展開されました。横浜市民の抱く都市イメージとのかい離に違和感があったと思います。

仮に東京で誘致を進めたならばこれほど反対運動が起こっただろうかと思うのです。横浜ならではの現象です。

横浜市民のふるさと意識の発露であるカジノへの反対が今度の選挙で決定したとなると菅政権にとって痛手のはずです。

ところが菅総理は奇妙な抜け道を用意しました。国家公安委員長だった小此木三郎さんの出馬です。

小此木さんはカジノ反対へとひょう変しました。その結果自民党は一部割れて自主投票となりました。

カジノ推進は現職の林文子市長ひとりに事実上収束される格好となり、林さんが政治生命を賭けて挑むことになります。

カジノ推進派だったはずの松沢さんと小此木さんはカジノ反対の方に立場を変えて政治生命を賭けることになりました。

以上3人の有力3候補はいずれも現職の政治家です。これに田中康夫元長野県知事と山中竹春元横浜市大教授が挑みます。

田中さんに対するインタビュー記事を知人の毎日新聞記者がサンデー毎日に書いていたので読みました。

田中さんの看板政策は中学校給食の実現です。巨大都市横浜での実施は長年の懸案です。

浜弁という給食の代わりに行っている配達弁当方式を改めることを公約に掲げました。

144校で38千人強の生徒数での給食実施ですので多額の財政投資が継続的に必要です。

田中さんは教育や医療・福祉への積極投資を打ち出していて共産党と親和性があるように思いました。

立民が擁立した山中さんの方が共産党を取り込むかと思ってましたが支持組織の連合との関係があり容易ではないようです。

共産党の支持の行くへは有力3氏への対抗馬として誰が浮上するかの決め手になるように思います。

 

 

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