政界の暴れん坊の有言実行
政治家は言葉が命です。国民に伝わる言葉を発するのが仕事です。ただし口先だけで終ってしまってはいけません。
この辺りの塩梅が難しいです。昨今口舌の徒もたくさんいますのでよくよく注意しなければなりません。
国民に伝わるというのは立て板に水でなくても構いません。誠心誠意真心がこもっているかどうかが問題です。
政界には乱暴者と評される強者がごろごろいます。いやいましたといった方が正確かもしれません。
立ち振る舞いや発する言葉は乱暴でも物事の落としどころを読み切って行動するタイプの政治家がいなくなったからです。
そうした典型的猛者のおひとりが亀井静香さんです。かつて政界の暴れん坊の名をほしいままにしました。
私は、同じく暴れん坊の野中広務さんに亀井さんを紹介してもらい今でも薫陶を受けています。
亀井さんは3・11東日本大震災の後から脱原発を主張するようになりました。口先だけではありませんでした。
「脱原発を言っているだけではダメで代替エネルギー産業を興してこそ本物だ。」が口癖でした。
実際にやってのけました。兵庫県丹波市で亀井さんが会長を務める会社が8月からメガソーラーの発電を始めます。
ゴルフ場開発が途中で頓挫したままになっていて防災上の観点からも地域自治体の難題でした。
亀井さんが中心となってメガソーラー発電所として再投資をしてゴルフ場を甦らせました。
大雨の際に水をためる調整池の規模も1.5倍にして昨今の集中豪雨時代への備えを強化しました。
総事業費は120億円です。敷地面積は119ヘクタールで発電パネルを11万4320枚を張り巡らせました。
3万9535メガワットの発電量で8900世帯分を賄うとのことです。丹波市内の世帯の3分の一強の電力量です。
21日に竣工式がありました。丹波市長や地元自治会関係者らが駆け付けました。私にもお声がかかり参加しました。
84歳の亀井さんがあいさつに立ちました。「原発や石炭火力と決別するための先兵である。」
「快晴だ。前途を祝福するような天気だ。自信を持って前に進もう。」、力強いあいさつでした。
現役の政治家時代に発した言葉を実現したとの喜びに満ちていました。政治家冥利に尽きるとはこのことです。
電力の固定買い取り制度によって1キロ割ったあたり32円で関西電力に売電する計画で経営見通しもたってます。
亀井さんには実業家としての才覚が備わってます。太陽光に続き奈良県でバイオマス発電所が現在進行中です。
政界の暴れん坊は単なる暴れん坊ではなく時代が求める事業を展開する有言実行のサムライでもあります。