松田町長選挙の結果を左右する駅周辺再開発事業

混とんとした情勢の中での地方選挙は横浜市長選挙ばかりではありません。お隣の松田町の町長選挙も熱いです。

横浜市長選挙はカジノを含むIR=統合型リゾート施設の是非に決着をつける選挙となってます。

松田町長選挙は小田急線新松田駅周辺の再開発事業をめぐる是非が最大の争点で現職が敗れればとん挫します。

両選挙ともにアフターコロナ時代を見据えて大型事業の是非が俎上に上ったということでは共通性があります。

違いは横浜のIRの方は民間の大型設備投資事業であって公共事業ではないところにあります。

一方松田町の方は官民共同の事業であって人口1万人の小さな町にとっては大型公共事業への賛否と位置付けられます。

松田町の事業の方は猥雑な現在の駅環境を整えるという意味の総論では誰しも賛成する事業です。

官民合わせての総事業費は150億程度と伝えられていますのでそれだけの財政負担に耐えられるのかが問われます。

松田町議会の討論のやり取りの記録を見ますと大勢はこの時期に巨額な財政負担を懸念しています。

反論としては人口減少・少子高齢化の進展の流れを食い止めるための積極策だと主張してますが少数派です。

議会は3月議会で1億2500万円の関連予算が盛られた予算案を減額して修正し待ったをかけました。

議会は行政のチェック機関としての役割を発揮したことになります。議会の存在意義を示しました。

その結果町当局は国庫補助金の断念に追い込まれたと報じられてます。本山博幸町長は崖っぷちに立たされました。

大型事業の国庫補助申請をしていて始まる直前に議会からノーを突きつけられ補助金断念は異常事態です。

一連の大型公共事業をめぐる対立がそのまま8月31日告示9月5日投開票の町長選挙に反映されます。

本山町長が事業推進にあくまでこだわるのであれば町長選挙で圧勝して町民の信任を得なければなりません。

一方で新人で元中学校教員の吉田功さんは大型公共事業に対して慎重な町民の声を結集していくはずです。

新型コロナで経済の先行きは不透明ですし多額の財政出動により国地方問わず財政は悪化してます。

こうした状況下で大型公共事業を強行するとしたらよほどの財政的裏付けが無くてはなりません。

これまでの経済財政見通しの中での判断は危険です。松田町の駅周辺再開発事業も当面凍結が望ましいです。

本山町長が時代の変転を無視して強行する姿勢を示せば選挙にも大きな影響を及ぼすでしょう。

本山町長が3選を目指したいのならば議会の判断を尊重し駅周辺の再開発事業を見送る方針を明確にすべきだと思います。

 

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