折り返し点に来た横浜市長選挙

8日に告示された横浜市長選挙、今日で選挙期間の半分です。折り返し点となります。

朝日新聞が序盤戦の状況を電話による世論調査に基づいて報道してます。興味深い結果です。

元国家公安委員長の小此木八郎さんがわずかに先行し元横浜市大教授の山中竹春さんと林文子市長が追う展開です。

元神奈川県知事の松沢成文さんと元長野県知事の田中康夫さんらは苦しいと報じられてます。

序盤戦で3人の争いに集約された形です。小此木さんのリードをもたらしているのは公明党です。

支持政党別で公明支持層の大半を固めたとなってます。自民支持層は分裂してますので強力な援軍です。

菅総理と小此木さんのコンビによるなりふりかまわずの権力奪取作戦が序盤では功を奏しています。

立民が擁立した山中さんは菅内閣の支持率の低下やコロナの感染大爆発の追い風を受ける可能性が最も高い候補です。

抜け出れないのには理由があります。無党派層の支持は小此木さんと林市長と分け合っているとなってます。

山中さんにもっと勢いがあるのならば無党派層ではトップを取らないと組織力の小此木さんに勝てません。

知名度の低さが響いていると見ます。どこまで無党派層に浸透するか山中さんの勝敗の行方を左右します。

林市長は現職の強みを活かして序盤戦で頭一つ抜け出すことで支持を拡大する思惑が外れたと思います。

小此木、山中両氏に先行を許したままだと現職危うしの空気が漂います。反転攻勢はご本人の執念にかかっています。

松沢さんと田中さんの苦戦は予想以上です。松沢さんは知名度もあり現職の参院議員でした。

田中さんも知名度は高く発信力は優れてます。両氏が早々に苦戦との報道には驚きました。

投票率が高まり無党派層の票が伸びたとしても先行する3氏の背中が見えるまで盛り返すのは容易ではありません。

勝敗の帰趨とは別に政策論議にも関心があります。ふたつの政策提言を高く評価してます。

ひとつは坪倉良和さんの提案です。カジノ予定地の山下ふ頭にカジノに替わる具体案です。

水産仲卸会社の経営者らしく山下ふ頭に魚や食肉の市場機能を集約し食の拠点にするとしてます。

かつての東京の築地みたいなイメージです。カジノに頼らずに地域経済を回す提案として魅力を感じます。

もうひとつは田中康夫さんです。内陸部にある米軍基地跡地に福祉と消防・救急の統合施設を創ろうというものです。

横浜市の行政機能は湾岸部に集中してます。津波の襲来を受けたらひとたまりもありません。

安全安心の拠点を内陸部に移すというのは極めて合理的です。どなたが市長になっても実現に向け努力すべきです。