永田町政局に直結の横浜市長選挙

混とん状態と思われてきた横浜市長選挙は意外にすっきりとした対決の構図となってきたようです。

神奈川新聞は元横浜市大教授の山中竹春さんが先行し前国家公安委員長の小此木八郎さんが追うと伝えてます。

小此木さんは横浜を代表する自民党の政治家の家に生まれ前自民党神奈川県連会長でもあります。

菅総理は小此木さんの父親の秘書を務めてから政界入りしましたのでいわばファミリーです。

小此木さんの出馬をめぐっては異例の展開でした。現職大臣が職をなげうって突如市長選挙に出馬表明しました。

さらに衝撃を与えたのは菅内閣の看板政策のカジノを含むIR=統合型リゾート施設の誘致を撤回しました。

菅総理と並び旗振り役を担ってきた人物が180度政策転換したのです。横浜市民の世論を意識しての転換です。

菅総理は当初は陰に隠れていましたが前面に出て小此木さんとタッグマッチを鮮明にしてます。

閣議の前に小此木さんへの支援を要請したというのですからなりふり構わず状態となっています。

菅総理にとって横浜市長という権力を握ることが自らの権力維持にいかに重要かを示している行動です。

小此木さんが敗れることがあれば菅総理自らの政治的影響力は一気に崩れかねないとの恐怖に囚われていると思います。

菅総理をここまで慌てさせたのは現職林文子市長です。林市長がIR推進にこだわり出馬したのは最大の誤算です。

自民党は割れてしまい一枚岩とはなりませんでした。この傷口を公明党の支持でつなぎとめているのが実情です。

盤石の体制ではないのです。菅総理も小此木さんも絶対の自信を持てないまま選挙戦最終盤を迎えているはずです。

立民が擁立した山中さんは、コロナのデータ分析でテレビに登場したとはいえ一般の知名度は乏しいです。

それでも小此木さんに先行するとされる状態にいるのは菅総理と自民党に対する反発が根強くある証拠だと思います。

山中さんに爆発力があれば一気に抜け出すところですが現状はそこまで有利ではないと思います。

あと4日間の選挙戦、林市長も絡んで最終的勝者は見通せません。執念と死力を尽くした闘いです。

菅総理はやれることは全てやり尽くすでしょう。林市長を支持している経済界を切り崩そうとしていると思います。

一方山中さんの方は組織的には共産党です。共産党を固められれば小此木さんにとっては脅威です。

山中陣営の方に小異を捨てて共産党との協力体制をもう一段強めることができる軍師がいるかです。

横浜市長選挙はいち地方選挙ではなく中央政局に直結する国政選挙並みの影響力を持つ選挙となりました。