横浜市長選挙の真の争点は、菅政治

永田町が大注目の横浜市長選挙、本日で選挙終了。いよいよ明日が投開票日となります。

カジノを含むIR=統合型リゾート施設の誘致の是非が最大の争点と言われ続けてきました。

これは表面的な見方です。IRをめぐる政治のありようが本当の争点であって誘致の是非はその付属物だと思います。

菅総理は官房長官時代からIRを国策として掲げ法律まで制定して誘致を進めてきた張本人です。

ところが横浜市に限ってしゃにむに誘致をごり押ししてきた立場をひょう変しました。

腹心、盟友ともいわれる小此木八郎前国家公安委員長を候補者に押し立てて誘致反対に舵を切ったのです。

横浜市長という権力死守のための奇手です。政策を改める時は説明責任を果たす本来の政治とほど遠いです。

林文子市長は菅総理らに尻を叩かれてIR誘致を推進したことは疑いのないところです。

菅総理は、横浜市民の大勢が誘致反対で林さんでは当選が難しいと判断して林さんのはしごを外しました。

一連の政治ドラマで菅総理の政治手法が如実に表れています。まず理念は後回しです。

菅総理は国家ビジョンが見えないと指摘され続けています。権力を獲得し維持するのが最優先ですだからです。

IRをめぐる態度のひょう変で明らかになったように理念はいつでも捨て去れる付属品で、状況によって変わります。

大義を軽視する菅政治に真っ向勝負を挑んだのが林市長です。菅政治を争点化させた最大の功労者です。

神奈川新聞によると林さんはIR誘致に関してひょう変した自民党議員らの姿勢を厳しく指弾しているとのことです。

選挙情勢は林市長にとって厳しいです。それでも捨て身で菅政治を問うている姿勢には敬意を表します。

菅総理は、横浜政界の名門の出の小此木さんを擁立しIR誘致に反対で自民の大勢をなびかせようとしました。

そうはいかないと立ち上がったのが林市長です。IR推進を貫き菅総理や自民党のその場しのぎの対応に異を唱えました。

林市長はひとり親の家庭で育ち腕利きの自動車セールスウーマンとして名を馳せ今日の地位を築きました。

たたき上げのど根性が菅総理の策略に反旗を翻した原動力だと思います。あっぱれをあげたいです。

林市長が出馬しなかったらIRに対しにわか反対か元祖反対かの戦いとなり菅政治をあぶりだせなかったからです。

菅総理と一心同体で戦っている小此木さんが敗れることは菅政治の敗北を意味します。

菅総理の権力の源泉となっている横浜での菅政治の敗北は永田町に直ちに衝撃波となって伝わります。

小此木さんが勝つか負けるかは菅総理が総理の座を維持できるかどうかと同じ意味を持ちます。