新型コロナウィルス対応の政治学102 ~裏の男~

菅総理、支持率低迷に加え義兄弟ともいえる小此木八郎さんを政界に追い込んでもなお総理の座にしがみつきます。

昨日の選管会合で自民党総裁選の日程が決まりました。9月17日告示29日投開票となりました。

菅総理は出馬の意向を堅持してます。潔い英断を期待しているのですが無理そうです。

パラリンピックも開幕し花道とするには絶好のタイミングだと思いますのでひどく残念です。

神奈川県政界を牛耳っていた人物のひとりに元県議で自民党神奈川県連会長も務めた梅沢健治さんがいます。

今年の4月92歳で亡くなられました。懐が深く味わいのある政治家らしい政治家でした。

23日付の神奈川新聞の菅総理を追いかけている週に一回のコラムで有吉特別編委員が梅沢さんについて書いてました。

梅沢さんは自民党の長老であるにもかかわらず神奈川新聞紙上で反カジノを大々的に宣言しました。

その後菅総理が9月に誕生し有吉記者は梅沢さんに自宅に出向き感想を求めたというのです。

カジノについては「横浜でカジノはできないよ。もはやないも同然。そのうちわかる」とけむに巻かれたというのです。

敏腕記者もそれ以上聞き出せなかったと梅沢氏の老獪ぶりをコラムに紹介してました。

その梅沢さんと私が最後にお会いしたのは昨年の3月のことです。梅沢さんが反カジノ宣言した直後でした。

当時官房長官だった菅さんも総理に色気があるのではないかとの憶測が出ていたころでした。

菅さんについて梅沢さんは「俺と一緒で裏の男だ」ときっぱり断言しました。一呼吸あって付け加えました。

「裏が表に出なければならないほど危機ということかもしれないが…」と前言を微妙に修正するかのようでした。

言い過ぎたと思ったのでしょうが全体のトーンは菅さんが総理になることに否定的でした。裏の男は裏でという考えです。

その後菅さんは官房長官から総理となり1年がたち新型コロナの猛威により歯車が完全に狂ってしまってます。

今や政権存続の危機です。こうした状況になると梅沢さんの「裏の男だ」との言葉が鮮烈に蘇ります。

菅総理は裏で手練手管を駆使し時には脅し政局や役所をコントロールする術に長けています。

しかし表の顔の能力とは異質です。表の世界は、国民とのコミュニケーション力が不可欠です。

梅沢さんは菅総理が表の顔としては疑問符が付くと見ていたはずです。だから総理になることに首を傾げたのです。

菅総理は新型コロナで明かりがはっきり見え始めたと言い切りました。表の世界を見る眼が狂い出してます。

裏の男の菅総理が長く権力の座にとどまってしまうと表の世界の方に変調がきたします。