新型コロナウィルス対応の政治学103~幻の菅の乱~

先月25日の菅総理と二階爾長との会談の後の菅総理の表情に狂気を感じるとブログに書きました。

本当に狂ってしまったようです。総理の伝家の宝刀解散権を抜こうとて自民党内を震撼させました。

菅の乱が起きたのです。安倍前総理らに封じ込められて一夜にして何事もなかったようなぶら下がりをしました。

「現下の情勢は解散できる状況ではない。」と断言しました。乱はあえなく幻となりました。

この騒動の報道を見ていて神奈川新聞の敏腕有吉記者の週明けのコラムが頭をよぎりました。

有吉記者は菅総理の政治家としての”性(さが)”からして解散に徹底してこだわるとの見方を示してました。

結果は有吉記者の見方に沿った動きでした。有吉記者の透徹した記者の眼には恐れ入りました。

しかし乱は不発に終わりました。残されたのは選挙に不安を持つ若手議員を中心に菅総理に対する不信感です。

新型コロナ最優先と言いながら権力維持にあの手この手を繰り出す菅総理に対する怒りは高まっているはずです。

菅総理は総裁選挙出馬を二階幹事長に伝えたと報道されてます。再選には暗雲漂う見るのが常識でしょう。

来週の週明けのコラムで敏腕有吉記者が菅総理に勝算はあるのかについてどのような見方を示すのか今から楽しみです。

菅総理は6日には党役員陣と一部内閣の閣僚の補充人事を行うとしています。気の抜けた炭酸水みたいで衝撃度はありません。

菅総理個人の権力を維持したい思惑があまりに明々白々で危機に対処するという本来の人事の意味を失っています。

更に総裁選で敗れればその時点でおしまいとなると今月いっぱいしか持ちません。そんな人事に飛びつくでしょうか。

菅総理が絶対的強みを持っているとはほど遠い状況下での人事の断行は逆に亀裂を深めます。

対抗する岸田文雄さんは自分が勝てば人事は白紙と言ってます。当然すぎるほど当然です。

菅総理の誘いに乗るかどうかは菅総理と心中するかどうかの踏み絵の様相を呈してきました。

そんなに簡単に事は運ばないと思います。溺れる者にロープを投げる者ばかりいません。

菅総理が伝家の宝刀を抜こうとしたことで局面は転換しました。菅総理の行動は悪あがきになりつつあります。

菅総理の一連の動きは総裁選挙において地方の自民党員票に大きな影響を与えたことでしょう。

新型コロナの猛威に立ち向かう時に権力維持に汲々としてと菅離れが加速していると思います。

自民党員以外の国民の見方は更に厳しいでしょう。総裁選挙の後に控えている衆議院選挙の結果に直結します。

菅総理が取るべき道は総裁選挙出馬を断念してまずは自民党の危機を救う道を開くことだと思います。