自民総裁選と野党の戦略転換

NHKの直近の世論調査は野党にとって衝撃です。自民が37.6、公明が3.6。立民が5.5、共産が2.9です。

自民は4.2ポイント上昇、立民は1.1ポイント減少です。菅総理の退陣表明で自民への期待感が高まり出してます。

17日に告示される自民党総裁選挙は、人気の河野太郎さんの出馬でさらに過熱しそうです。

11月に想定される衆議院選は野党の方に逆風が吹きそうで当初の見方は逆転しました。

立民を始め野党各党にとっては由々しき事態です。戦略の抜本的転換が不可欠です。

こうした中で立民、共産、社民、れいわの野党4党が衆院選に向けて共通の政策を発表しました。

消費税減税、原発のない脱炭素社会、コロナ対策、モリカケ桜の真相解明などが取り上げられていました。

立民の枝野代表によれば共通政策を掲げて政府与党に対抗して政権交代につなげるとしてます。

自民が盛り返し野党が劣勢の中で政権交代と大見えを切られても響きません。白昼夢に近いです。

野党は戦いの進め方を誤っています。野党独自の政権構想を目指して政権選択を迫るという建前に縛られ過ぎです。

国民は新総理総裁の自民に期待します。菅政権が続いているかのようなやり方では吹き飛ばされます。

北朝鮮の弾道ミサイル開発成功のショックも自民党に有利に作用します。野党への逆風はきついです。

もっと徹底して野党らしくなるかそれとも保守との連立を指向するかふたつにひとつです。

野党らしくとはキングメーカー安倍時代の到来阻止に焦点を絞りけんかを仕掛けることです。

コロナは明確な争点になりません。感染状況が落ち着き今年の冬の感染再拡大を防ぐための冷静な論議に転換するからです。

コロナで政権を叩くのは菅政権でひとまずおしまいです。コロナの経済対策は与野党共通項が多いです。

与野党で異なるのはモリカケ桜です。徹底的再調査を要求し真相究明することに重点を置いた方が自民が嫌がります。

安倍前総理に国会でさんざんウソをつかれたのですから再度追及する陣立てを構築するのは正当性があります。

河合夫妻に対する1億5千万の選挙資金の供与もそうです。各政党には税金が投入されてますので透明性が不可欠です。

日本学術会議の任命拒否も宙に浮いたままです。野党が共同でしつこく質さない限り雲散霧消します。

総裁選挙で石破茂さんが不出馬と伝えられます。総裁選挙では一連の不祥事は争点化しません。

野党に残された唯一といって良い攻め手です。自民党に手を突っ込み政局とするチャンスと捉えるべきです。

政権構想にこだわり攻め方が中途半端なままだと野党は総裁選に埋没し自民党の高笑いになると思います。