それなりの役者が揃った総裁選挙

自民党総裁選挙、一番最後に名乗りを上げたのは野田聖子さんでした。ようやくにして初挑戦です。

野田さんには今でも印象に残っているいちシーンがあります。野田さんが衆議院議員に立候補する前の出来事です。

当時私は自民党竹下派のNHK担当記者でした。竹下派幹部のひとりの渡部恒三さんの議員会館にいました。

野田さんは衆議院初挑戦に向けて挨拶回りをしていてちょうど出くわしたのです。恐らく1990年のことです。

20代だったはずです。大変にチャーミングでとにかくミニスカートに衝撃を受けました。

目のやり場に困っていてどぎまぎしていると本人は素知らぬ顔して平然としていました。

野田さんのインパクトを与えた方が勝ちという肝っ玉の据わりように位負けした気分になりました。

衆院初挑戦では落選しましたが2度目の挑戦で初当選して以来当選9回を重ねてます。

郵政民営化に反対し小泉総理に刺客を送られた時もしのぎ切り当選を重ねたのも肝の据わり方が左右したと思います。

今回の選挙でも森友再調査をただ一人明言してます。これも肝の据わり方の延長だと思います。

本来なら石破茂さんが占めるべき立場に乗り込みました。それなりのはまり方です。

自民党の総裁候補は女性候補が2人になりました。ぐっと印象が良くなったと思います。

高市早苗さんの売りはタカ派政策です。外交防衛、対中国路線での強硬路線ですので女性政策ではありません。

野田さんが一枚加わることで女性の視点からの問題提起が可能となり自民党としての政策の幅が広がります。

野田さんの推薦人確保の背景には人気の河野太郎さんへの票の集中を防ごうとの思惑もあると推測します。

そうした政略は別にして女性候補が2人になったことは時代の流れを反映しています。

自民党にとって有利です。うまくはまったものだと思います。ますます野党は埋没の危機です。

選挙の行方は地方票で人気の河野さんがどの程度の支持を得られるかにかかってきました。

2001年の小泉純一郎さんの時のように雪崩を打つ現象が起これば河野総理総裁です。

菅総理が河野支持を表明しました。河野フィーバーに水を差すと思います。菅総理は自分が見えなくなってます。

河野さんは石破さんの支援で安倍前総理らの反発を喚起したのに続いての両刃の剣です。

安定感の岸田文雄さんらが地方でも善戦し票が割れれば決選投票となる公算が強いです。

そうした流れで国会議員票が大半を占める決選投票となれば岸田さんの方が有利だと見ます。

私は選挙の顔選びの人気投票ではなく日本の危機を乗り越えることに焦点を当てた総理総裁選びを期待してます。