神奈川県唯一の過疎の町の”熱い”町議選

熱い戦いは自民党総裁選挙だけではありません。神奈川県西部の県内唯一の過疎の町、真鶴町でも繰り広げられてました。

定数10の真鶴町議会選挙に新人が5人立候補し定数を4人オーバーする激戦となったのです。

30代が4人も立候補し移住者も多く経歴もプログラマー、フリーライターがいたり多彩でした。

かつての町議会議員の定番のような構図が崩れ新しい時代が来たかのような予感を抱かせました。

しかしそれは幻想でした。激戦なのに町民の関心を呼び覚ましませんでした。投票率は過去最低でした。

それでも66.90%と高いですが過疎からの脱却が課題となっている町としては寂しい数字です。

昨年9月の町長選挙では新人の松本一彦現町長が現職の町長を大差で破り衝撃を与えました。

投票率は71.78%で前回選挙を4.94ポイント上回り関心の高まりを数字が示していました。

3期目を目指す現職に50代半ばの新人が真っ向勝負をかける本格的な選挙が有権者の関心を喚起しました。

今回の町議選は松本現町長のような新人候補が見当たりませんでした。地域に密着した活動が足りません。

新人候補の多くが失礼な言い方ですがぽっと出で突如立候補というかたちだったと見えます。

これでは見かけ上は激戦のように見えて有権者は白けてしまい投票行動には結びつきません。

9位と10位に2人新人が滑り込みました。女性候補と地元紙の記者でいずれも30代です。

女性候補は地域活動の実績が無くても有利です。女性の政治参加それ自体が有権者の支持を得ます。

もうひとりの新人の木村勇さんは私の知人でもあります。的確な記事を執筆する有能な記者です。

きめ細かに町内をめぐり選挙戦の最中は辻説法を展開し反応も良かったと聞いていました。

ふたを開けてみると最下位当選でした。新聞記者として地域を回るのと選挙で得票を得るのは異なることの証です。

小さな町の選挙は有権者ひとりひとりと情でつながれるかどうかが決め手となることが多いです。

記者は客観的に状況を把握しようと努めますので情で立ち回るのは意外に苦手です。

この辺りに落とし穴があったのだと推測します。当選後の活動で盛り返すしかありません。

選挙の翌朝、駅頭で街頭活動を再開していたと聞きました。この心意気ならば大丈夫です。

当選後は記者の経験が活きます。綿密な調査と分析、的確な政策提言。木村さんならできます。

過疎地域から脱却し自立できる真鶴町を目指して木村さんの政策提言に期待します。

ジャーナリストの経験を活かし全国はおろか世界の事例を丹念に調査し真鶴町の生きる道を探って欲しいです。

 

 

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