衆院選、野党そこそこ戦える

菅総理が退陣し自民党の支持率が上がったことで衆院選は野党が苦戦するのではないかと見てました。

4日、岸田総理の記者会見の様子を見ていて野党もそこそこ戦えるのではないかと思い直しました。

おとといのブログで書いたように岸田政権は、安倍・菅政権の負の遺産にはふたをしてしまい触れない姿勢です。

甘利幹事長の発言を聞いていると触れないどころか開き直っているかのような態度でした。

この姿勢は岸田政権をじわじわと痛め付けます。問答無用の態度は印象が悪いし攻める側にとって叩きやすいです。

国民の声を聴いて判断したいと岸田さん本来の誠実な対応をしていれば印象はガラッと変わります。

なぜこのような謙虚な姿勢をとる戦術に出なかったのか首を傾げます。安倍前総理や麻生前副総理への配慮でしょうか。

両氏を忖度したかのような対応は逆効果です。国民の過半は説明不十分と思っているのですから。

もうひとつ岸田さんの記者会見には決定的な弱点がありました。新たな資本主義構想は全く煮詰まってません。

これから有識者を集めて論議をして構想をまとめる段階でした。単なるアドバルーンに近いです。

高額所得層への課税強化による所得再配分機能の強化とかを明確に打ち出さないとインパクトありません。

法人税についても同様です。法人税の減額競争の愚かさに言及して欲しいものです。

自民党支持層に打撃を与えてしまうので腰が引けたのだとしたら新資本主義なんてできません。

自民党独自で新資本主義を構築すると言いながら支持層に気兼ねし中身はスカスカでは看板倒れになります。

新資本主義の構築はアベノミクスの評価と密接に関わります。アベノミクスの負の側面を認めないかぎり進めません。

キングメーカー安倍前総理の看板政策をマイナス評価するのですから容易ではありません。

岸田さんに本当に転換する覚悟があるかどうか、党役員人事や組閣を見る限り疑わしいです。

岸田さんの看板経済政策が出足でつまづく恐れがあります。ここは野党にとって衆院選で追及し甲斐があります。

岸田さんには奥の手があります。野党と対峙するのではなく提案を呼び掛けるという策です。

成長と分配の好循環で中間層を厚くすることを目指しています。これはむしろ野党の専売特許です。

岸田さんは聞くのが特技と言っているのであれば野党の意見にも耳を傾ける姿勢を示すべきです。

誠実な岸田さんがそうした姿勢を示したら野党は戦いにくいです。叩けないですから。

自民党にその気配はありません。自民党の強気な姿勢のおかげで野党は戦える材料を得ました。