代表質問から岸田政権の近未来を読む
岸田総理の所信表明対する衆参両院での代表質問から岸田政権の近未来が読めました。
「8番セカンド岸田君」、誰もが耳をそばだてる出だしで質問を始めたのは自民党参議院幹事長の世耕弘成さんです。
岸田総理が高校時代野球に明け暮れ中心選手ではないが縁の下の力持ち的存在だったということを紹介したのです。
これに対する岸田総理の語り出しはそっけないものでした。不愉快だったからかもしれません。
ユーモアで応じて欲しかったです。岸田総理は人間性を知ってもらう絶好の機会を逃しました。
「8番バッターの全国の野球少年の皆さん努力すれば総理大臣になれます」と返せば議場が湧きました。
こうしたひとことは、ばかにできません。この場面がテレビで繰り返し流されれば岸田さんの人気があがります。
議場内に緊張感が走ったのは立民党副代表の辻元清美さんと森裕子さんが森友問題について質問した時でした。
辻元さんは自殺した財務省職員の妻がしたためた岸田総理に対する手紙を読み上げて再調査を迫りました。
森さんは岸田さんの答弁が何を言っているかわからないと詰問しました。ともに凄味がありました。
再調査しないという結論であるのならば理屈をつけずにきっぱり拒否したほうが胆力を示せました。
岸田総理の答弁は配慮に配慮を重ねてました。答弁からは鮮烈さは消えスローガンだけが残りました。
「新しい資本主義」は成長と分配の好循環という美しい言葉だけが空回りして具体のイメージが伴いません。
令和版所得倍増計画の提唱はもっと哀れです。撤回したのかと思うほど痕跡が見えません。
外交政策では中国への配慮を強く感じました。具体的な対抗措置については一切触れませんでした。
台湾に対しても慎重でした。質問に答える形で「重要なパートナー」と答弁するのが精一杯でした。
岸田総理の一連の対応から岸田総理の本質が読み取れます。配慮し過ぎて何もできなくなるということです。
岸田総理が衆議院選挙を急いだのは、本質を見抜かれる時間的余裕を与えないためだったと思います。
それでも苦戦を強いられると見ます。安倍・菅政権から表紙を変えただけだと野党の総攻撃にさらされるからです。
モリカケ桜、1億5千万の選挙資金問題、日本学術会議問題、甘利幹事長のスキャンダルもあります。
与野党の議席数の差は縮小すると私は思います。岸田政権は決して安泰ではありません。
衆議院選挙後の特別国会、来年の通常国会での論戦を通じて岸田政権の閣僚の力量のなさがさらされるでしょう。
来年7月には参議院選挙があります。岸田政権は厳しい状況に直面すると予測します。