総選挙、自民思いのほか苦戦の雲行き
任期満了目前で衆議院が昨日解散され14日公示です。前代未聞のせわしない選挙といえます。
衆議院の定数は465ですので過半数は233です。現在の自民党の議席は276で過半数を優に超えてます。
連立与党の公明党の29議席を加えれば305議席です。維新の会の11議席を加えれば憲法改正も可能です。
立民が112議席、共産が12議席ですので足して124議席です。国民民主の10議席を加えても大勢に影響はありません。
今更ながら自公政権が絶対的な安定政権であったことに驚きます。与党は余裕しゃくしゃくで国会運営ができました。
テレビ報道などで与野党の激しい攻防などとしばしば語られまるが全く実態とかけ離れた常套句に過ぎません。
今度の衆議院選挙で171議席もあるとてつもない与野党間の議席数の格差がどうなるかが焦点です。
直近のNHK世論調査によりますと与党が増えた方が良いが25%で野党が増えた方良いは28%でした。
岸田政権成立直後で通常ならば与党側に有利に動くはずなのに野党が増えた方が良いが勝っているのは意外です。
岸田内閣の支持率は49%でご祝儀相場となっていません。自民党としては気がかりな数字です。
岸田新内閣への評価も評価するが45%で評価しないが46%拮抗してます。成立直後としては異常です。
安倍・菅政権の路線を引き継ぐべき派は34%に対し引き継がない方が良い派は57%で圧倒しています。
岸田政権の評価が低いのは安倍・菅政権からの政策転換が出来なにではないかという国民の不信感がありそうです。
コロナが収束傾向を示していて国民の関心は経済財政政策や社会保障分野に移ってきています。
岸田総理は新しい資本主義を唱えています。このスローガンは抽象的で一般の国民には分かりにくいです。
岸田総理が各方面に配慮し財源確保などの具体策を先送りしたのでいっそう全体像がぼやけてしまいました。
安倍・菅政権からの転換は無理であることの象徴だと野党側は責め立てるのは間違いありません。
更に加えて岸田政権が安倍・菅政権の負の遺産である森友問題がクローズアップされます。
自殺した元財務省職員の妻から岸田総理にあてた真相解明を求める手紙の影響は大きいと思います。
人の話を聞くのが得意とされる岸田さんならばと期待して手紙を書いたと述べていて国民の琴線に触れます。
岸田総理は妻の訴えを拒否している訳で同情心を呼び岸田総理の対応への批判が高まると思います。
経済政策が骨抜きになったことと森友問題、このふたつが足を引っ張り自民党は思いのほか苦戦すると思います。