溶岩流が迫って来た時何を持ち出すか?
先月19日にアフリカ大陸北部の西サハラ沖合のスペイン領カナリア諸島のクンブレビエハ火山が爆発しました。
爆発は今も続いており溶岩流で農地が破壊されたり1200棟近くの住宅や工場が被害を受けています。
住宅に一時的に戻り貴重品や生活必需品を持ち出す様子がテレビに映し出されてました。
住宅に戻れる時間は45分ほどと規制されており何を持ち出すかあれこれ考えている余裕はありません。
現金やキャッシュカードや着替えなど当座使うものは既に持って避難所に逃げていることでしょう。
再度自宅に戻った時どうするかです。スーツケース2個と制限されたらスーツケースに何を入れるか簡単ではありません。
ペットを置いて来ざるを得なかった方はまずペットを連れて帰ることでしょう。家族ですから。
大金持ちで自宅に貴重な貴金属や多額の現金を金庫に保管している方などどうされるのでしょうか。
お金持ちほど慌てると思います。詰め込む貴重品や現金が多すぎて気が狂ってしまうのではないでしょうか。
ふと我に返り自分がこうした災害に直面したら果たして何を持ち出すだろうかと考えました。
富士山のハザードマップが改訂され溶岩流が開成町周辺を埋める可能性もあるとの想定が発表されました。
わが家が溶岩流に飲み込まれるかもしれません。頭の体操でその時どうするか考えておいても無駄ではありません。
溶岩流に飲み込まれれば全て無に帰します。どう生きて来たかと密接不可分な哲学的な命題で安直には考えられません。
完璧に割り切る人ならば人間は無に帰すわけだから身一つで逃げるという人もありえます。
ふつうはそこまで思い切れません。生きたあかしを遺したいと思うのが人情です。人生には思い入れがあります。
自分を今日まで自分たらしめる上で決定的な影響力を持った本や日記や写真、記録類を持ち帰るでしょう。
本はかさばります。ちょっと考えただけでも20冊はあります。せめて10冊と言われると厳しいものがあります。
日記は別にして記録類は大半は諦めますが絶対に持ちかえらなければならない記録がいくつかあります。
父が残した旧満州でのソビエトとの激闘の記録です。冒頭に露木家の家宝として欲しいと父が書き残していたからです。
有志と一緒にまとめた富士山の噴火関連の冊子も貴重です。関連する資料も捨てがたいです。
記者時代の大物政治家とのやり取りのメモや町長時代の提言集も持って行きたいです。
スーツケース2個では足りそうにありません。平穏な時に整理しておく必要性を痛感します。
一生懸命生きたというあかしだけが後世に遺せる財産です。私にとってはダイアモンドより貴重です。