与党絶対安定多数、維新躍進、立民敗北

衆議院選挙、岸田総理は胸をなでおろしていることでしょう。議席は減らしたものの単独で安定多数を維持しました。

日本維新の会が41議席です。11議席から4倍増に迫りました。大阪は維新にあらずんばの様相でした。

公明党も3議席増やし与党で293議席。絶対的な安定多数をはるかに超えました。公明効果は堅調です。

維新の躍進は予測できました。世論調査で自民支持層の悩みが聞こえて来るかのようだったからです。

普段支持している層と比例代表の投票先との間に落差があるとの調査結果が当たったと言えます。

維新は改革断行で力強さを売りにしています。岸田総理に最も欠けているイメージです。

コロナ禍がひとます収束し経済の再生への期待感が膨らむ時期と維新の躍進は重なっています。

むしろ意外なのは自民党の予想以上のしぶとさでした。維新に票が流れても大きな落ち込みを防ぎました。

有権者の意思は政権交代を唱えた野党第一党の立民党は失速でした。13議席減で二けたに転落です。

民主党政権の負の遺産が今なお影響を及ぼしていると見るべきです。まだ信頼できないのです。

枝野党首がいくら絶叫しても口先だけで政権を獲れば混乱してしまうとの疑念が消えないのです。

国民の信頼を得るためには突っつくだけでは不十分です。看板議員のひとりの辻元清美さんの落選は象徴的です。

甘利幹事長が小選挙区落選しました。甘利幹事長には失礼ですが岸田体制にとっては交代は渡りに船です。

金銭スキャンダルを抱えたまま野党の攻撃にさらされ続けるのはきつかったはずです。

維新は躍進したとはいえ自公の絶対的安定多数があるので維新改革効果は限定的だと見ます。

岸田総理の本来的主張である新しい資本主義は社会民主主義的改良です。立民寄りと言って良いです。

維新の方は身を切る改革と規制改革が売りです。維新は独自性を堅持してアピールする路線をとるでしょう。

単独で法案を提出する議席数を大幅に上回ったので独自法案の連発が考えられます。来年夏の参議院選挙があるからです。

岸田体制は当面の危機を乗り切りました。経済の立て直しに向けて大型の補正予算を組むことになります。

気がかりは対中外交です。本質的にハト派の岸田総理がどこまで中国に強く出れるか疑念が残ります。

維新も対中外交は弱腰です。大阪の中小企業と中国との関係は深いからです。強くは出れません。

日本の弱腰は中国がほくそ笑むことになります。中国に舐めれれることは禍根を残します。

政局の次の焦点は来年7月の参議院選挙に移りました。しかし与党が揺らぐ材料はありません。