日本政治の次なる最大の争点、憲法改正
衆院選の結果で立民を中心とする野党による政権交代構想は幻想の彼方へと消えました。
日本の政治状況は落ち着きを取り戻しました。私は与野党伯仲へと少し近づくと見てました。
立民が現有議席だった110議席から10議席増やしただけでも自民には大きな衝撃を与えたはずです。
自民辛うじて単独過半数と書きたてられたでしょう。来年夏の参院選での与野党伯仲が現実味を帯びたはずです。
実際の結果はご承知の通りです。立民の野党共闘戦略の誤算もあったとはいえ自民を支えた公明の役割が大きいです。
公明抜きでは自民は戦えない集団と化しているのではないかと思います。公明の存在感は増しました。
維新が41議席と躍進したため身を切る改革法案を次々と提出し独自性を訴えて来るでしょう。
吉村大阪府知事人気は絶大ですので来年の参院選でも台風の目となる可能性が大いに考えられます。
維新が伸び立民が衰退するとにわかに現実味を帯びるテーマがあります。憲法改正です。
維新は早くも来年夏の参院選と同時に憲法改正の国民投票の実施をとぶち上げました。計算づくの行動です。
維新と公明は憲法改正をめぐるスタンスが異なります。この点が両者のあつれきのもとになる可能性を秘めてます。
岸田政権が党内タカ派や維新の圧力に負けて憲法改正を急ぐと公明からじわりと待ったがかかる可能性が大です。
維新が公明をないがしろにする形で自民党内に手を突っ込み憲法改正派と組むような仕掛けをしたらひと悶着おきます。
公明の怒りを買えば自民との連立の継続の是非にまで波及する可能性が無きにしも非ずです。
強大化し覇権主義化の傾向を強めている中国や核ミサイル開発をてこに国際社会への挑戦を止めない北朝鮮がいます。
この両国の存在を前提にして日本は憲法9条の中で自衛隊をどう記述すべきか真剣に考える時期に来ました。
加えてロシアの動きが不気味です。北方領土での存在感誇示は良からぬたくらみの前兆です。
頼みとしてきたアメリカはアフガンからの撤退で露呈したように明らかに力が減衰しています。
日本は、改憲と護憲の二者択一の議論から卒業して日本の安全保障を原点から考える時期に来ました。
その延長線上には憲法改正も視野に入れざるを得ません。9条の記述を考えなければなりません。
自衛隊の存在を明記することを目的にするのは危険です。明記する意味を深く掘り下げ納得を得なければなりません。
公明を含めて幅広い合意を取り付けることができれば憲法改正が現実の日程に上ります。
維新や党内タカ派にせかされ議論を急げば混乱します。来年ではなく2025年の参院選が節目だと思います。