不要不急とされた音楽に親しんだ1年半2

今年の日本クラシック音楽界の最大のニュースはショパンコンクールで2人の日本人の入賞です。

2位に反田恭平さん、4位に小林愛実さん。12人のファイナリストに残るだけでも快挙なのに入賞です。

うれしいニュースが伝わった直後NHKBSプレミアムで先月2週にわたり反田さんと小林さんの特集を組んでました。

オールショパンのプログラムで最初の週に反田さん、次の週に小林さんの演奏を流しました。

2位と4位の演奏を聞いていてどちらが心地よく耳に響いたかというと小林さんの方でした。

好みとしか言いようがありません。小林さんの方が優美でしっとりとした音色なのです。

反田さんは正確無比な感じです。審査員の方は反田さんの正確性を上位にしたのだと思います。

音楽に素人による独断と偏見に過ぎませんがそんな風に感じてなりませんでした。

ショパンコンクールは5年に一度です。昨年が開催の年に当たってましたがコロナで1年延期でした。

東京オリパラと一緒でこの1年の延期は入賞を目指すピアニストたちにとっては神経が磨り減る期間だったでしょう。

6年待ってようやく世界的ピアニストへの道が開けるかどうか決まるのですから緊張は想像を絶します。

演奏家だけでなくピアノメーカー間でもし烈な競争が繰り広げられていることを別番組で放送してました。

日本のヤマハもカワイも頑張っていますがアメリカのスタンウェイが他を圧しています。

ショパンはポーランドを代表するピアニストであり作曲家です。39歳で生涯を閉じはかなさが付きまといます。

ポーランドの首都ワルシャワは音楽の都であると同時に20世紀最大の悲劇に見舞われた都市のひとつです。

1939年9月ナチスドイツのポーランド侵攻で第2次世界大戦がはじまりました。

ナチスはポーランド文化を破壊しつくすことを目指し最初に行ったのはショパン像の破壊でした。

ポーランド国民は音楽をこよなく愛する国民性を持っていたのでその象徴を打ち壊したのでした。

ショパンコンクールは1か月にわたり行われる国を挙げての祭典です。勝者はスターダムを駆け昇ります。

1965年のショパンコンクールの優勝者はマルタ・アルゲリッチというアルゼンチン出身の24歳の女性でした。

アルゲリッチは神の領域のピアニストです。彼女の演奏を聞いてしまうと他の演奏が物足りなくなります。

アルゲリッチの演奏は力強く情熱的なのに繊細で優美なのです。矛盾する価値が共存してます。

反田さん小林さんもアルゲリッチの背中を追いかけて欲しいです。2人の入賞を聞き最初に思ったことです。