不要不急とされた音楽に親しんだ1年半3

尊敬する歌手の歌を何人かで歌うトリビュートライブという形式のコンサートがあります。

2015年に東京と大阪で行われた中島みゆきさんのトリビュートライブの再放送が流され録画して何度も視てます。

女優の満島ひかりさん大竹しのぶさん中村中さん、歌手の中島美嘉さん華原朋美さん研ナオコさん坂本冬美さんクミコさん。

豪華な顔ぶれで存分に楽しませてもらってます。中でもクミコさんが歌う「世情」は引き込まれました。

中島さん自身のライブ映像もふんだんに盛り込まれていますのでそちらも楽しめます。

中島さんの歌詞が好きでたまりません。情念が注ぎ込まれていて坂本冬美さんが言っているように演歌の響きがあります。

もうひとつ繰り返し視ている中島さんの歌があります。工藤静香さんが歌った「誕生」です。

昭和や平成の名曲を実力派の歌手がカバーするNHKBSプレミアムの番組「COVERS]のひとこまでした。

工藤さんは歌詞が心に響くと言い番組中に涙してました。MCのリリー・フランキーさんと水原希子さんもでした。

「泣きながら生まれる子供のようにもう一度生きるため泣いてきたのね」というフレーズだというのです。

工藤さんも苦しい時代があったんだろうなと思いを馳せるとひときわ聞き入ってしまいます。

中島さん自身の歌声をも素晴らしいしカバーする歌手の皆さんも同様に心にしみます。

ところがカバーが全く成り立たない歌手がいます。美空ひばりさんです。カバー曲は聴けません。

何かが全く違っているのです。どんなに歌が上手い歌手でも音痴に聴こえてしまうのです。

NHKBSプレミアムの演歌番組で美空ひばり特集があるととりあえず視てみますがすぐに止めます。

理由は聴いてられないからです。美空ひばりさんは神の領域なのでまねができないのです。

美空さんの生まれ故郷の横浜で美空ひばり応援団を続けている鶴田理一郎さんという著名人がいます。

鶴田さんが「ほかの歌手が歌うひばりの歌は聴いてられない。エグザイルのATSUSHIだけは聴ける」と言ってました。

低音から高音までが七色の虹のグラデュエーションのように滑らかに移動するのです。

切れ目がないというかデジタルでないというか、最上級のアナログなのです。ほかにいません。

ベートーベン、ピアノのアルゲリッチに続く神の領域に鎮座する日本の歌姫だと私は思ってます。

第2のひばりさんは出て来るのでしょうか。なくなって30年以上が経過しましたがまだいません。