前門の龍、後門の熊

日本の周辺空海域がきな臭くなりました。中国とロシアの軍事的行動が目につき出しました。

先月、中国とロシアの海軍は合同の艦船10隻による巡視活動訓練を日本周辺の公海上で実施しました。

中国国防部の説明では「特定委の第3国を想定したものではない」としてますが額面どおりは受け取れません。

海だけではありません。19日中国とロシアの爆撃機が日本周辺上空を共同飛行したことがわかりました。

中国爆撃機2機とロシア爆撃機2機が日本海、東シナ海、沖縄本島と宮古島の間の上空を飛行しました。

防衛省が発表したものです。前日の18日には両国の艦船が対馬海峡を通過していることも確認されてます。

尖閣諸島周辺の中国海警局艦船による航行が連続してます。ロシア政府高官の北方領土訪問もあります。

中国とロシアが連携を深め日本をいたぶり始めていると見て差し支えないと思います。

日本として両国への外交指針を確立することが急がれます。等閑視は日本を危うくします。

基本は日本の領土領海は日本が守る姿勢を鮮明にすることに尽きます。この気概がないとなめられる一方です。

中国は経済で脅しをかけるので慎重に、ロシアは力で既成事実を作り押し切る国なのであきらめようではいけません。

習近平独裁体制の中国は強大化した経済を背景に日本へ圧をかけてくるのは当然です。

プーチン独裁体制のロシアは日本の弱腰にかこつけて北海道を虎視眈々と狙っているに違いありません。

この厄介極まる龍と熊に対し日本は危機感が共有されていませんし対応策が明確ではありません。

日米同盟堅持、自由で開かれたインド太平洋といった西側諸国とのお題目で防ぎ切れるとは思いません。

中国は、人権侵害問題、ロシアは、国内反体制派の存在があり対日強硬策で国民の関心を逸らす動機が十分です。

日本が置かれている環境の厳しさを正確に国民に伝える必要があることは言うまでもありません。

中国の経済圧力におびえ、ロシアの力の外交に振り回されていては日本の明日は暗いです。

言葉だけで「き然として」といっても実質が伴わなければ相手国にとっては痛くもかゆくもありません。

日本として国際社会に向けて堂々と主張できる大義を確立することが肝要だと思います。

両国の共通の弱点は人権です。特に中国はアキレスけんです。人権分野の外交対応を一日も早く強化することを期待します。

喫緊の課題として北京冬季オリンピックへの政府代表団の派遣問題から逃れることはできません。

アメリカら西側諸国と足並みを揃えるか中国に宥和的な姿勢をとるのかの決断が迫ってます。