自民総裁選から見た立民代表選・泉新体制

立民党の泉新代表が味のある人事を行いました。代表選を戦った西村智奈美さんを幹事長に据えました。

大きな国政政党で女性の幹事長は聞いたことがありません。画期的な出来事だと思います。

自民党との差別化を発信する妙手だと思います。自民党では高市早苗幹事長は実現しませんでした。

衆院選で躍進した日本維新の会の弱点は女性議員の少なさです。維新の勢いを阻止する決め手は女性の登用です。

西村さんの経験不足は否めません。幹事長をどのように補佐するかこちらの体制が重要になります。

国会対策委員長や選挙対策委員長には泉代表の誕生に貢献した面々を配置しました。

更に幹事長を直接補佐する体制の構築が不可欠であることは泉代表も重々承知で今後配置していくでしょう。

西村さんはジェンダー平等を始め多様性を重視する社会観を唱えてきました。この基本線は大切に願いたいです。

特に女性の登用については幹事長の権限をフルに生かし思い切った人事を期待します。

こうした人事それ自体が自民党との差別化につながると思いますので極めて重要です。

社会経済政策分野においては岸田政権が分配重視を打ち出しているため立民党との違いが不鮮明になりました。

こうした中で立民党として独自性のある姿を示す数少ない分野がジェンダー平等です。

口で唱えるだけでなく人事で実行に移すことでその姿勢は説得力を増すことになります。

来年の参議院選挙を控えて泉立民党の一大看板となります。党役員人事の半数を女性との公約の実現を期待します。

公認候補者の選考においても女性の登用は重要です。可能な限り女性擁立を目指すのは至上課題だと思います。

対外政策において自民党の先手を打って進めて欲しいテーマは人権を重視する外交姿勢です。

人権を守ることは普遍的価値として認められ強力な大義名分です。人権重視の伝統を持つ政党の出番です。

泉代表は人権侵害を規制する日本版のマグニツキー法案の提出に意欲を示してました。有言実行して欲しいです。

軍事力強化だけが日本の安全を守るとは到底思えません。人権外交は強力な安全保障の盾です。

この分野で自民党に先手を打ち国民に問題提起できれば新しい立民党の姿を示すことになります。

泉代表は政策提案型の政党への脱皮を掲げています。まず試金石となるのは人権外交です。

外交は票にならないと言われます。しかし国民の空気感は変化してきていると思います。

中国の覇権主義的行動に対する反発や不安感が高まっているからです。この情勢を受け止め一石を投じるのです。

立民党は批判だけではなく日本の安全にも深い関心を持っていることを示す証となると思います。