教育と官民連携
自らベンチャー企業を起こしおよそ大学の先生とは思えない事業活動をしている神奈川大学の教授がいます。
大竹弘和さんという人間科学部の教授です。3日東京お台場のビックサイトで講演会がありました。
「学校と地域の共同利用を目指した学校PFI提案」となってます。教育改革を起爆剤としたまちづくりの提案でした。
副題が内容を端的に示していました。「学校機能の改革で地域社会は大きく変わる」となってました。
大竹さんは公共施設の管理運営に民間企業が参入することで効率的運営を目指すPFI事業の専門研究者です。
大竹さんが改革の照準としているのは児童生徒数の減少で空き教室が増えている公立の小中学校の校舎の管理運営です。
空きスペースを民間企業の知恵で地域の住民に利活用をしてもらい住民サービスの向上を図ろうというものです。
統廃合で建て替えする場合は最初から民間との共同利用のスペースを区分けして建設することを提起してます。
イメージとしてはスポーツジムの運営会社が体育館ややグランドを利用してサービスを展開します。
あるいは学習塾が空き教室で塾を経営したりするイメージです。学校施設を民間企業が利用する訳です。
調理室を利用して料理教室を開いたり子ども食堂の提供も考えられるかもしれません。
民間企業にとっては借り賃が格安となることによりサービス提供の料金が格段に下がり利用しやすくなります。
高収入がないと学習塾に行けないなど経済格差による教育格差の解消も狙っています。
こうした事業の進化形として大竹さんは「地域交流デパートメント構想」というアイデアを持ってます。
学校は通う子供たちだけの存在ではなく地域との交流拠点であるとして民間企業の知恵を大胆に取り入れようというものです。
公立の小中学校は教育委員会が管理します。後ろには都道府県の教育委員会そして文部科学省が控えています。
この壁は分厚いです。いわば聖域に手を突っ込むのかと猛反発が起こることは間違いありません。
それと保護者に対してもわかりやすく説明しないと子供たちの教育に悪影響が出ると反対が出そうです。
国や県に対してはなぜこのような事業を問題提起するのかという理念を明確にする必要があります。
効率的運営だけでは弱いです。地域社会に対するインパクトを踏まえた全体的なビジョンが不可欠です。
保護者に対してはわかりやすさが必要です。具体イメージを可視化する、できれば動画とすることが求められます。
大竹さんの斬新なアイデアを形にできるかどうかは理念の明確化と具体イメージの提示にかかってます。