民間主導のまちおこしグループ再始動
江戸時代末期、疲弊した農村再興に群を抜く成果を上げた二宮尊徳はチームで仕事をしました。
東北大学名誉教授の大藤修さんの伝記『二宮尊徳』を読むとそのあたりの事情がよくわかります。
上野の国桜町(現栃木県真岡市)で農村再興で成果を挙げた二宮尊徳は活動範囲を周辺へと広げていきました。
ひとりで全てを仕切ることはできず有能な弟子や村人の登用でチームで行動するよう変化しました。
最期の仕事となる日光御神領の再興においてはチーム尊徳ともいえる人員構成で全精力を注ぎました。
尊徳の農村再興の肝は長期構想と綿密な財務計画の策定でした。この道に秀でている弟子がいました。
尊徳は日光御神領の再興を担当している時は幕府の役人に登用されていたとはいえもともとは一民間人です。
尊徳のチームは民間主導の農村再興チームでした。現代に応用できる重要ポイントだと思います。
官民連携といっても役所がかむと口ばかりやかましくて仕事のスピード感が足りません。
危機に対処するためには民間が主導となって行動し役所は側面からの支援とする役割分担が大切です。
問題は事業を着手する時の土台金の確保です。尊徳は自ら資金を調達する仕組みを開拓していました。
現代においては国からの補助金がだぶついておりこれを上手に運用すれば土台金の原資となります。
不足する分は民間が自ら融資を得るなどして調達するのが筋です。責任もはっきりします。
以上のような基本姿勢の下で神奈川県西部の足柄上地域でまちおこしができないか意見交換会をしました。
関心を持ってくれる民間企業数社が集まり東京でざっくばらんに意見をぶつけ合いました。
コロナがまん延する前の2019年6月に動き出したのですがコロナのために中断したままになっていました。
足柄上地域の地域特性を活かして環境共生を目標に掲げて新規の産業を誘致できないか検討することになりました。
自然エネルギーを活かした農産物の生産拠点の可能性を探ろうということで意見が一致しました。
南足柄市と開成町の境界周辺で広大な開発予定地域が宙に浮いたままになっているのでこの土地利用を考えたいです。
開成駅から開成町南部の開発地域へとつながる街路の建設で環境に配慮した事業展開を検討したいです。
このほか医療、教育、スポーツ、農業の各分野で特色ある事業の可能性を探ることになりました。
ざっくりとした全体構想のとりまとめが第一の仕事です。イメージを共有できなければ話になりません。
財源の確保が次の課題となります。やはり補助金の活用が不可欠です。専門的知見が不可欠です。