中国オリパラ外交ボイコット決断、愚図のススメ
来年2月に迫った北京冬季オリパラ。閣僚や政府関係者を派遣しない外交ボイコットが焦点になりました。
中国の人権状況を問題視したアメリカがいち早くボイコットを表明し追随する国が出てきました。
イギリス、オーストラリア、カナダが外交ボイコット、ニュージーランドが閣僚派遣をしないとされてます。
アングロサクソン、旧英連邦諸国が足並みを揃えています。ヨーロッパの大陸諸国とは対応が分かれてます。
フランスは2024年に夏のオリパラを控えていて慎重にならざるを得ません。政権交代のドイツは態度不明です。
戦後一貫してアメリカに追随してきた日本はアメリカからの要請に踏み絵を踏まされているといえます。
日本は中国の人権問題への対応に関して深い議論がなされているとはとても言えません。
自民党の保守派の国会議員は外交ボイコットの早期決断を求めいきり立っているでしょうがそう単純な問題ではありません。
中国との経済関係の深さはもちろんあります。それ以上に国民的共通理解がないのが気がかりです。
日本の国会はこの手の議論が浅薄なのが致命的欠陥です。国家戦略の基本の論議がおろそかなのです。
岸田総理だけで決定する課題ではありません。国民の納得の土俵を作った上で最終決断をするのが本来です。
開催中の臨時国会だけでなく来年1月召集の通常国会冒頭ぐらい前引っ張って議論を深めて欲しいです。
日本として中国の人権問題に対応する基本的な対応指針を明示しその上で態度を決定する手順を踏んで欲しいです。
限られた時間しかありません。しかしその時間内で議論を尽くす姿勢そのものが日本の姿勢と言えます。
何をぐずぐずしているとの保守派からの罵声が飛び出ることでしょう。愚図は悪いことばかりではありません。
研ナオコさんの名曲に「愚図」があります。阿木燿子さん作詞、宇崎竜童さん作曲の楽曲です。
愚図は、お人よしでもあり、おせっかいでもあり、おバカさんでもあると歌われています。
いずれも日本人の特性を言い当てているように思います。この際日本外交は愚図シナリオを演じ切ることだと思います。
最終決着は外交ボイコット措置を取らざるを得ないと思います。しかしそこに至るまでの過程も戦術のひとつです。
亀井静香さんはアメリカのポチになるな中国に食い物にされるなと言い続けています。
愚図シナリオはポチでもなく食い物にもなっていないことを国内外に示すしたたかな一手だと思います。
おバカさんのように見えて決してそうではありません。時間を味方につけてぎりぎりの決断は妙手だと私は思います。