真鶴町の奇跡

真鶴町長選挙で松本一彦前町長が逆転勝利を飾りました。袋叩きにされていた状況から考えると奇跡です。

対抗馬の宇賀一章元町長との票差はわずか88票でした。首の皮一枚の僅差です。激闘を物語ってます。

松本さんは昨年9月の町長選挙で宇賀さんを1200票近くの大差で破り鮮烈なデビューを飾りました。

それが今度は88票です。有権者名簿の持ち出しの張本人だと有権者の厳しい目が注がれました。

ただ宇賀さんも固定票以上に票を伸ばすことができませんでした。前回より200票以上減らしました。

有権者は宇賀体制に戻ることにもノーを示したことになります。時計の針を逆にしたくはありませんでした。

松本さんから逃げた票が1400票あります。多くは真鶴町に移住してきた大塚伸二さんに流れたと思います。

埼玉県出身の元金融マンで有権者名簿の流出で揺れる真鶴町にしがらみのない政治をと訴えました。

地元で知名度がほとんどない大塚さんのような候補者が807票を得たこともこれまた奇跡です。

大塚さんの街頭演説を最終日の18日に聞きました。演説は不慣れですが誠実な人柄が伝わりました。

移住者に対し壁があった真鶴町の有権者の方も大塚さんの人柄の良さに一定の信頼を寄せた結果だと思います。

ギリギリ勝利した松本さんの勝因は55歳と候補者の中でいちばん若かったことです。

前回の町長選挙で期待した方々がもう一度チャンスを与えたいと動いたことが大きいと思います。

最終日、選挙事務所に寄りました。松本さんの再チャレンジを支援する純粋な支援者が集まってました。

こうした根っこの固い支援者の存在ほど苦しい選挙を支えるものはありません。松本さんの宝物です。

14日テレビニュースで松本さんの出陣式の模様が映ってました。松本さんの顔は強張ってました。

有権者名簿の持ち出しに対するかぜ当たりの強さを感じていて有権者の反応を恐れているかのようでした。

実際関係者に聞くと卵でもぶつけられるのではないかと思っていたようです。ところが徐々に雰囲気が変わりました。

特に選挙戦終盤になって声援を送ってくれる有権者が増えたということです。声を潜めていた固い支援者が動き出したのです。

松本さんを勇気づけました。最終日の街頭演説に一緒に参加しましたが松本さんは吹っ切れてました。

奥さんの献身的な努力も有権者の心を揺さぶったと思います。勝利の最大の要因かもしれません。

薄氷の勝利とはいえ松本さんは激しいバッシングを乗り越えて町長の座に返り咲きました。

町長辞職から町内行脚、町長選挙出馬、そして当選。激動のひと月の体験を糧に真鶴町のために奮闘して欲しいです。

 

 

 

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