続・2021年回想

2021年は政局が動いた1年でした。菅前総理の退陣、岸田政権の発足、解散総選挙と続きました。

一連の動きの主役は新型コロナでした。新型コロナが菅前総理を退陣へと追い込みました。

新型コロナの終息で岸田自民党は総選挙で勝利を収め野党第1党の立民党の枝野前代表は地位を失いました。

新型コロナという指揮者がいて自在にタクトを振ったと思わざるを得ないような政局の動きだったと総括ができます。

神奈川新聞の敏腕有吉記者が菅前総理の総理在任中の仕事師ぶりを特集で紹介し評価していました。

新型コロナワクチンの接種、2050年地球温室効果ガス排出ゼロ宣言、デジタル庁の発足、携帯料金の値下げ。

いずれも画期となる取り組みです。しかし菅前総理の功績だという強い印象がないのは誠に不可思議です。

印象の薄さに菅前総理の総理としての資質の決定的な欠如が如実に表れていると私は考えます。

国民とのコミュニケーション能力があまりに不足していたのです。国民に共感が無いので印象が薄いのです。

菅前総理は政治の裏方で権力を繰りのし上がってきた政治家です。その手法は表舞台ではあからさまに使えません。

総理となった以上は大局に立ち国民へメッセージを発し国民の共感を喚起し国政の参画してもらうのが大きな任務です。

裏の実力者の菅前総理にはこの大仕事ができませんでした。これが政権転落をもたらしました。

私は菅前総理の裏の政略家としての実力は熟知してました。それだけでは不十分だとも直感してました。

新型コロナが猛威を振るえば危機に際しての国民とのコミュニケーション能力が問われることになります。

菅前総理が最も苦手とする分野です。国民との信頼感が崩れれば政権崩壊は早いと見ていました。

政局の動きは私の予想通りの展開でした。国民との信頼感という土台が崩れれば政略だけで権力を維持できません。

政権末期には安倍前総理らにより解散権までもが縛られてしまい打つ手は無くなり自然消滅のような最期となりました。

岸田新政権は菅前総理の仕事師の分の成果は受け継げるため国民との一定の信頼感があれば政権が存続できます。

菅前総理の遺産のうえに総選挙を勝ち抜けたため3年の任期を全うできる可能性が出たといえます。

一方立民党は苦しい立場に追い込まれました。政権交代はハードルが高すぎて望むべくもありません。

来年の参院選に向けて与野党の伯仲状態に一歩でも近づけるかどうかが課題であることが明らかになりました。

菅前総理の退陣により自民党は救済され立民党は逆に土俵際に追い詰められた2021年でした。

 

 

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