ワンチームの創造が日本再生の活路
2021年、モータースポーツの最高峰、F1でホンダが30年ぶりに年間最優秀チャンピョンを誕生させました。
レースで死亡した伝説のスーパーレーサー、アイルトン・セナ以来の年間最優秀選手です。
オランダ人の24歳のフェルスタッペンが12月の最終レースの最後の1周でトップに立ち快挙を成し遂げました。
ただし、ホンダは昨年限りでF1の世界から姿を消します。環境に配慮した技術開発に集中するためです。
F1で培った最高峰の技術を電気自動車や燃料電池車の開発に応用していくことになります。
ホンダの昨年のF1レースへの挑戦の軌跡をNHKBSのドキュメンタリー番組で放送していました。
ホンダが担うのは新たなエンジンの開発でした。半年間の短期で総力を結集して成功させました。
エンジン開発というと油まみれみたいなイメージが残ってますが現代はコンピューター上での格闘です。
デジタル革命時代の製品開発の姿を見て時代の最先端の姿をテレビ画面を通してまざまざと感じました。
しかしどんなにコンピューターが進化しても創り上げるのは人間です。多種多様な人間が集まったチームです。
ホンダのF1を支えてきたベテラン3人がリーダーとなり若い技術者たちをまとめていきます。
優勝が決まった瞬間、コンピューターが並ぶ統御ルームを陣取った技術者たちがもろ手を挙げました。
東京青山のホンダ本社の特設会場に詰め掛けたF1ファンからは大歓声が沸き起こりました。
チームホンダの姿そのものでした。ワンチームとなって戦った1年間が凝縮されていました。
この映像を見てどこかで同じようなシーンを見た記憶がよみがえりました。はやぶさのチームです。
JAXA=宇宙航空研究開発機構が打ち上げたはやぶさ、はやぶさ2の快挙達成のシーンと重なりました。
ホンダチームを数倍規模を大きくしたはやぶさの技術者が統御ルームを埋め尽くし快挙の瞬間大歓声を上げていました。
こちらは国を挙げてのプロジェクトですがチーム力で成功に導く本質は変わりありません。
昨今日本の技術開発力の低下が喧伝されています。しかし世界に冠たる強みのDNAは持続しています。
困難に打ち勝つチーム力です。チーム力を引き出し使命を達成させるリーダーが今必要なのです。
ホンダで言えば新エンジン開発の現場からの提案に対しゴーサインを出した社長の決断がまずあります。
社長の了承を受け若き技術者をまとめたリーダーたちの統率力が続きます。そして何より現場の若い力です。
低迷が続く日本の活路を教えてくれているように思えてなりません。トップの決断、リーダーの統率力、若い力です。