松沢元神奈川県知事の最期の戦い

今年の参議院神奈川選挙区は変則的な定数5議席です。任期6年の定数4議席に加えて任期3年の定数1議席が増えます。

張本人は松沢元神奈川県知事です。維新の参議院議員を辞して昨年8月横浜市長選挙に出馬しました。

結果は16万票あまりしか取れず5位に沈みました。政治生命に関わる惨敗だと見る向きもありました。

県議→衆院議員→神奈川県知事→都知事選落選→参議院議員→横浜市長選落選。政治家キャリアはまだ続くことになりました。

維新の参議院議員に挑戦と報じられました。政治家以外に生きる道なしとの踏ん切りだと思います。

ただし甘くはありません。最大のアキレスけんは県内最大の有権者数を有する横浜の有権者の動向です。

目まぐるしく変転する松沢さんのキャリアを一番身近で目を凝らしているのは横浜の有権者だからです。

市長選に出たと思ったらまた参議院に戻るのですかと首を傾げる有権者はかなりの数いるはずです。

2019年夏の参議院選挙では松沢さんは横浜市内で23万票近くを取っていたのに市長選挙では7万票5千票減らしてます。

身の振り方への批判票だと思います。今度は出戻りです。更に批判票が上積みされると見て間違いありません。

維新の勢いが堅持されると仮定しても横浜市内で15万票程度が上限とみておいた方が良いと思います。

前回の松沢さんの得票数は57万6千票弱で4位最下位当選です。ここから8万、下手すれば10万票減ります。

変則的に定数が1増えるとしても決して楽な選挙ではありません。松沢さんにとって崖っぷちの選挙戦です。

自民は三原じゅん子さんと浅尾慶一郎さんで強力です。公明現職は底堅いです。立民現職も強いです。

前回次点の共産党は3度目の挑戦です。前回は15万票差、票の目減りが確実な松沢さんにとって侮れません。

昨年の衆院選挙で2人の当選者を出したとはいえいずれも比例復活で地に根が生えているとは言えません。

来年4月には統一地方選挙があり神奈川県議会、横浜市議会、川崎市議会、相模原市議会議員選挙などが行われます。

維新は地方議員が脆弱です。ここを増やさないことには松沢さんひとり踏ん張っても松沢個人商店と見られます。

維新系の数少ない地方議員との連携は当たり前として新人議員の発掘がどれだけ進むかがカギを握っていると見てます。

横浜市長選挙で有権者から手厳しい結果を突きつけられた松沢さんは今度こそ政治生命を賭けた戦いとなるでしょう。

維新が関西以外にも勢力を伸ばせるかどうかの試金石の意味もあります。参議院選挙の最注目選挙区のひとつです。