神奈川県秦野市は日本のウィーンを目指せる

昨日、神奈川県秦野市長選挙が告示されました。現職の高橋昌和市長に新人の佐藤伸一さんが挑む構図です。

高橋市長は市幹部から4年前に出馬し初当選した64歳。秦野は強固な保守地盤の地域で自民党は現職を支援をしています。

佐藤さんも市幹部からの転出です。54歳ですのでまだ先がある中で安定した地位を投げ打っての出馬です。

常識的に考えて佐藤さんは厳しい戦いを強いられます。それでもあえて出馬に踏み切った勇気は賞賛されます。

ある元秦野市職員に話を聞くと高橋市長は堅実派、佐藤さんは積極果敢なタイプだとのことです。

もし佐藤市長となったら職員は大変だろうなとも付け加えていました。血気盛んな様子が想像できます。

現職優位とはいえ新人の出馬により本格的な市長選となりました。秦野市の将来像をめぐって論戦を期待します。

丹沢山のふもとの秦野市は新宿からロマンスカーでちょうど1時間、東名高速のインターもあります。

第二東名のスマートインターや国道246号バイパスの建設も進行中で交通の利便性は更に高まります。

環境と利便性が両立していてアフターコロナ時代に住民から選ばれる街として優位性があります。

課題は人口減少の克服にあります。ピーク時に17万の人口は現在は16万人ほどとなり今後も減少が見込まれます。

秦野市のように自然環境が良好で交通の利便性も高い地域が人口が減るのは首を傾げます。

秦野市としての人口戦略に欠陥があるためだと思ってます。全体のイメージ戦略が不足してます。

交通の利便性を活かして日立を始め優良企業の進出が相次ぎました。住宅地も拡大し人口増がもたらされました。

この発展パターンはもはや過去のものです。こうした発想からの脱却が不可欠だと思います。

新人の佐藤さんが訴えているオンリーワン戦略を展開しようとの発想は一考に値します。

しかし秦野市全体のトータルなビジョンがなければオンリーワンと言ってもまとまりのない街となります。

私はかねてより秦野市を日本のウィーンにとの構想を訴えています。芸術文化を核に町おこしをしようとのアイデアです。

秦野市は文化会館や図書館を始め公共施設が充実しています。桜並木に囲まれた公園空間は魅せられます。

こうした施設もっと活用して芸術や文化が息づく街づくりに徹することは住民を引きつけると思います。

芸術文化の充実は教育の充実へと展開が可能です。地域全体が芸術文化を尊重し教育の充実に熱心というイメージです。

日本のウィーンそのものではないでしょうか。人口は無理して企業誘致するより増えると思えてなりません。