横浜市・山中市政はどこに行く

昨年8月の横浜市長選挙。当時の菅総理が強引に応援した小此木八郎国家公安委員長は落選しました。

コロナ対策の反発が敗北を招きました。菅総理が総理の座から転落するきっかけとなりました。

政治行政に全くの素人の横浜市立大学教授の山中竹春さんが勝ちました。立民党が擁立し共産党が支援しました。

コロナの専門家が謳い文句でしたがいささか過剰宣伝です。公衆衛生が専門ではなく統計学者です。

しかし政府のコロナ対策への反発の空気に上手くはまりました。自民党の分裂があって勝利が転がり込みました。

山中市長の場合は就任してからが勝負と大方の人は見ていたはずです。勢いだけでは巨大都市の行政運営はできません。

目玉公約は、高齢者の敬老パス自己負担ゼロ、子供の医療費ゼロ、出産費用ゼロの3つのゼロ政策でした。

もうひとつ弁当を配達するいわゆる浜弁方式の中学校給食を全員食べるようにすることも約束してました。

神奈川新聞は目玉の4本の公約は全て新年度の予算には盛り込まれないと報じました。

選挙の時だけ耳障りの良い公約を掲げ当選したら財源がないので無理でしたはいくらなんでもひど過ぎます。

横浜市の予算を審議する3月議会ではもめるでしょうしこんなことを放置しているようでは市議会の意味がありません。

神奈川新聞によれば在日米軍上瀬谷通信施設の跡地で開催予定の花博の準備は進めるというのです。

コロナ対策をはじめとする医療政策が看板であったはずの山中市政の基本スタンスが揺らぎます。

花博開催、その後にテーマパーク建設というのが林前姿勢の基本方針でした。踏襲するということです。

こうした大規模開発を止めて医療や福祉、教育に投資するのが林市政からの転換のはずです。

カジノを含む統合型リゾート施設さえ撤回すればあとは林市政を継承するとでもいうのでしょうか。

はなはだ基本姿勢があいまいだと言わざるを得ません。擁立した立民党や応援した共産党の責任も問われます。

山中市長の当選は棚からぼたもちです。政府のコロナ対策への反発とカジノをめぐって自民党が分裂したことが真の勝利の要因です。

政治・行政の素人の山中市長は政策の詰めが不十分なまま勢いだけで市長の座に座ったことになります。

新年度予算で予想通りぼろが出ました。自らの確固とした基本方針が無いため市役所の官僚が描いた案に乗らざるを得ません。

官僚も本気で支えようとは思ってないでしょうからおざなりの政策すなわち林前市政の継承とならざるを得ません。

このままでは何のための山中市政なのかが問われることは確実です。1期で終焉の恐れが出てきました。