政策の政治家、国民民主党の玉木代表は政局を動かせるか
政治になれていない人にとっては政策と政局はどこがどう異なるかさっぱりわからないと思います。
しかし両者は次元が違います。政策は合理性の世界です。理屈を積み上げ組み立てられます。
突拍子のない政策を叫んだところで理詰めて検討していけば矛盾が生じてしまい嘘っぱちであることがばれます。
ところが政局は違います。こちらは理屈ではなく情念で事態が推移します。合理的かどうかは別です。
いくら立派な政策を語っていてもあいつは嫌いだとなると悪い点を見つけて足を引っ張ります。
こうした政治の闘いのことを政局と言います。権力闘争と言い換えることもできます。
自民党総裁選挙は政策を競い合っているようで権力闘争をしているのであって政局なのです。
権力闘争をやり抜くには非合理の世界に強くなければなりません。権謀術数の限りを尽くししのぎを削ります。
16日のNHKスペシャルで昨年の菅政権の退陣から岸田政権の誕生をめぐる権力闘争を追いかけていました。
菅総理は新型コロナ対策でワクチン接種の迅速化という切り札を出したにもかかわらず足元を掬われました。
菅総理が党の顔ではまじかに迫った衆議院選挙で落選しそうだとの情念の世界での判断が優先したからです。
菅前総理が党役員人事を先送りして解散に踏み切るとの情報が駆け巡ったことを回想してました。
いくつかある選択肢のひとつとして検討していたのにあたかも確定したかのように情報が流布しました。
総理の首をすげ変えようと誰かが意図的に情報を流したと踏んでいました。私もそう思います。
菅前総理は政局に達者なはずです。上手の手からこぼれたというか情報管理を誤ったと言えます。
政治の世界は一寸先が闇とよく言われます。菅政権の転落のドラマはこの表現がピタリとはまります。
18日の夜BSフジのニュース番組に国民民主党の玉木代表が出演し政局について語ってました。
玉木さんは元財務省のエリート官僚で経済政策に強いのが売りです。国民民主党も政策重視を旨としてます。
合理性の世界に強い政治家が昨今政局に手出しを始めています。維新と小池都知事への接近です。
番組では政策の一致を前提に連携を進めると優等生の答えをしていました。物足りません。
政局に首を突っ込むのならば大阪府の吉村知事と東京都の小池知事と自分が日本を動かすと大見えを切らなくてはなりません。
今後の政局はこのトリオから目が離せませんと断言するぐらいの胆力が無ければ大したことはできません。
玉木代表は政局を動かしたいならば狂気が不可欠です。政策と政局は異次元であることに早く気づいて欲しいです。