続・津波の襲来について気象庁は説明責任を果たすべき
技術系官僚という手ごわい存在がいます。新型コロナを仕切っているのも厚生労働省の技術系官僚です。
彼らの存在を批判的に見る人たちは「感染症ムラの住人」などとやゆしてます。それだけ強力だということです。
私は政治記者の時に省庁はほとんど担当しなかったので技術系の官僚の皆さんとの付き合いはありません。
町長時代、道路関係で提言したくてその分野の高官に意見したことがあります。あしらわれました。
自分の関わる政策については万全の自信を持っていて門外漢が口出しするのを嫌悪している様子でした。
ここでへこたれないのが私です。自民党のドンのひとり野中広務元官房長官に口添えを依頼しました。
この高官ととあるパーティーで顔を合わせました。明らかに接する態度が違っていました。
チャンスとばかり愛想よく接しました。技術系官僚に向き合うのは骨が折れると実感しました。
トンガの海底火山の大爆発の余波で日本に津波が15日深夜から翌未明にかけて押し寄せました。
気象庁が火山の爆発による津波の恐れはなくあっても軽微だとの予測を発表したのはご承知の通りです。
気象庁は予測が外れたことにたいし説明すべきだと既にブログで書きました。反論のコメントが寄せられました。
稀に見る出来事で予測は不可能だというのです。予測するには多くの予算が必要だとも書かれていました。
専門知識が豊富な方だと推察します。そうした方に陥りがちな落とし穴にはまっています。
気象庁は研究所ではありません。国の役所として高度な知識は持ち合わせていない普通の国民に向き合ってます。
なぜ津波は来そうもないと予測したのだろうかとの素朴な疑問に丁寧に答えることが国民の信頼感を高めます。
気象庁の言い分は津波は起こらなかったけれども別の原因によって津波に似た潮位の変化が生じたとの説明です。
これでは説明というより自分たちは間違っていないとの主張に近いです。技術系官僚の性が出ています。
2020年7月15日当時の関田気象庁長官は九州で大きな被害を出した集中豪雨に対し反省の弁を述べました。
線状降水帯が深夜に発生し住民への伝達が遅れたことを認め予測精度を上げなければならないと述べました。
災害に真摯に向き合う態度に感銘を受けた覚えがあります。その気象庁の今度の対応はどうしても解せません。
トンガの海底火山爆発による津波の発生は国会でも取り上げられ岸田総理は調査し今後の予測に活かすと述べました。
気象庁は国民の生命と財産に直接かかわる災害対応の最前線に立つ役所です。国民の疑問に対し丁寧な説明が大切です。