名護市長選挙後の沖縄の地域政治を読む

名護市長選挙で現職が再選を果たしました。4年前初当選した時より得票数は若干減らしたものの得票率を伸ばしました。

名護市辺野古への普天間基地建設を容認する立場ですので岸田政権は安どしていることは間違いありません。

一方で辺野古移設反対を掲げてきた保革共闘のオール沖縄体制は4年前に引き続き敗北となり痛手です。

いよいよ9月に行われる予定の沖縄県知事選挙がオール沖縄体制の存亡をかけた一戦となります。

前回玉城デニ―知事が勝利したのは翁長知事の急死による同情票が大きな要因であったことは間違いありません。

翁長知事は命と引き換えにオール沖縄体制を守り玉城知事の当選させました。執念の勝利でした。

今度は同情票は期待できません。正真正銘の辺野古移設の是非を問う県知事選挙となると思います。

オミクロン株の感染爆発で岸田内閣の支持率が不透明なところがありますが現状はほぼ堅調です。

現在の流れが9月段階で急変する可能性は低いと見ます。玉城知事側に政権批判の神風は吹きそうにありません。

同情票も期待できず神風も吹かないとなると玉木知事にとっては厳しい選挙戦となると見ます。

ただ、自民党側の候補者が決まってません。誰が出るかが残された最後の波乱要因です。

岸田内閣発足に伴い沖縄担当の大臣は衆議院議員の西銘恒三郎さんです。沖縄4区選出で父親は元県知事です。

激戦が予想された衆院選だけでなく沖縄県知事選挙をも意識した人事ではないかと勘繰っています。

誰が擁立されても辺野古移設のごり押しはないと思います。名護市で勝利したようにより中立的な立場を出すと見ます。

沖縄県民の意向を良く聞き丁寧に説明する態度です。こちらの方が幅広い支持を集められるとの目論見です。

中国と歴史的関係の深い沖縄では本土ほどの反中感情の高まりはないとはいえ中国の強大化には脅威を感じているはずです。

県民の危機意識は辺野古移設容認の方により傾くのではないかと思います。翁長知事時代とは状況が変化してます。

沖縄で意見が分断されている状況は中国を利します。何とかして県民の合意を取り付けることが急務です。

私はブログで何度も紹介した持論があります。かつての琉球王国のように強力な地方政府の樹立です。

国の出先機関と沖縄県が合体し沖縄自治州となって強力な地域経済振興の司令塔をつくる必要があります。

外交や安全保障、防衛は国が主体となり強力な施策を推進できるよう役割を明確にする必要があります。

強力な地方政府樹立を条件に辺野古移設問題が合意へと導ければ日本の対中国施策を進める体制は強固になります。