真鶴町の過疎地域からの脱却を地域再生のモデルに
先月22日付の神奈川新聞の経済面に興味深いインタビュー記事が掲載されていました。
金融庁の中島淳一長官が今年の地域経済について語ってました。東大工学部卒の異色の金融行政マンです。
中島長官は鎌倉出身で湘南高校の卒業です。神奈川県の経済の動向にも詳しいはずです。
その中島長官が神奈川の地域経済振興について神奈川は人口減が緩やかでめぐまれた条件にあると語ってました。
新たなビジネスモデルの創造を期待し神奈川県西部と三浦半島地域を具体的な対象地域に挙げていました。
両地域は人口減少が顕著で経済活力の低下が叫ばれていますので当然の指摘だと思いました。
中島長官は地域の「面的」再生にこだわってました。単独の企業再生を越えた「面的」視点を持って欲しいと述べてました。
信用金庫などの地域密着の金融機関はそうした役割を果たす能力が備わっているとして実践を期待してました。
中島長官の指摘は正しいと思いました。しかし地域金融機関がリスクを背負ってまで行動するかは疑わしいと思います。
失敗は避けたい、儲かりそうなら融資しようという守りの姿勢でここまで生きてきて急に行動は変わるとは思えないからです。
市町村の首長が先頭に立ち地域の面的再生を促す旗振り役になれれば具体的なアイデアが出てきて実践に結びつきます。
ところが財政難に恐れをなし市町村長も臆病になってしまっています。音頭取りがいないまま時間だけが過ぎていきます。
この現状を打開するには広域調整が任務である県が乗り出すよりほかに手はありません。
モデル地域を決めて地域経済の面的再生のチームを結成し具体の行動へ一歩前進すべきです。
格好の対象地域が真鶴町です。神奈川県で唯一過疎地域指定されていて地域再生が待ったなしだからです。
ちょうど真鶴町で過疎地域持続発展計画を策定中でもあります。神奈川県も関わっていて好都合です。
真鶴町の人口減少は著しく現在およそ7千人、2065年には2379人と推定されています。
著名な観光地でJR東海道本線の駅もあり道路交通環境も整っている地域ですのでやりようがあります。
自然景観を保ちながら漁業や観光産業を興し医療と教育の充実による定住化も進めることは可能です。
真鶴町は過疎地域からの脱却を諦めておらず10年程度で実現したいとの具体的目標を持ってます。
県が働きかけ町に加え地域の金融機関をも巻き込んで民間企業も動員した再生チームを発足させることが必要です。
真鶴町は有権者名簿の持ち出し問題で揺れてます。早期に事態を収め本来の仕事に全力投球することが課題です。