対中人権非難決議
1日の衆議院本会議で対中人権非難決議が賛成多数で採択されました。れいわ新選組が反対しました。
「人権侵害を行う国にはそれがどこであれ最も厳しく、はっきりした表現で指摘し、改善を求めなければならない」
れいわ新選組は声明を発表し反対した理由を明らかにしました。あっぱれだと思いました。
山本太郎さん率いる令和ならば中国を名指ししてもっと激烈な言い回しでも良かったと思います。
自民党の重鎮の中にドラマの台本を描いて舞台回しをすることができる人材がいません。
梶山静六さんが存命で幹事長を務めていればもっと大胆不敵な台本を描いたに違いありません。
公明党が対中配慮でつべこべ言うのならば連立から離脱しろとか迫ったと思います。
中国への名指しを避けることは自公幹部間においては最初から見え見えの妥協ラインだったとにらんでいます。
要するに予定調和です。迫力に全く欠けるシナリオです。北京オリパラ前に出せたことだけがせめてもの救いです。
人権問題は中国のアキレスけんです。日本は基本的人権を守ることを憲法で定めています。
日本にとって最強の対中攻め手です。武力を強化することよりもよほど中国にダメージを与えます。
中国を名指しして人権侵害を止めろという姿勢を示すことは与野党問わず正当性があります。
自民党内の反中勢力は大人し過ぎます。何で抗議の声を声高に上げないのでしょうか。
かつてのハマコーさんのように両院議員総会で椅子を放り投げろとまではいいません。
メディアの耳目を引くパフォーマンスを行う絶好の機会でした。党内に強硬意見が根強いことを示せました。
立民党もそうです。人権重視は立民の看板政策ではないのでしょうか。腰が引け過ぎです。
共産党は中国とは敵対姿勢を示してます。人権となるとやわになるのはすねに傷があるのかと勘繰られます。
与野党双方で侃々諤々の議論があってにっちもさっちもいかないような状況を見せて欲しかったです。
ギリギリの局面で与野党党首会談を開き話をまとめるぐらいの舞台回しが必要でした。
先に名前を挙げた梶山静六さんならば本当にやったはずです。日本にとってマイナスはありません。
中国に対しては日本の政界内部の強い反中感情を示すことになりけん制球を投げることになります。
対中友好を総合的に判断して名指しを避けて非難決議をまとめたことで恩を売ることができます。
最終的な取りまとめに指導力を発揮した岸田総理は求心力を高めることにつながります。
こうした政治技術を駆使できる人材が見当たらなくなったのは寂しい限りです。永田町の力量低下を示す格好の事例です。