人新世時代のまちづくり考1~防災司令塔~

気候変動危機と直面している人新世時代に相応しいまちづくりを考えないとなりません。

昨年12月に足柄地域を対象に新たなまちづくりを考える勉強会を再開させ8日に2回目を開きました。

私の方から大げさに聞こえるかもしれませんが「人新世時代のまちづくり」をテーマにしようと提案しました。

小さな地域とはいえ地球規模の危機を認識して地域のまちづくりを考えざるを得ない局面だからです。

斎藤幸平さんは『人新世時代の「資本論」』の中で「恐れない都市」という一群の都市を紹介してます。

典型的なのがスペインのバルセロナです。新自由主義的政策に敢然と反旗を挙げています。

気候非常事態宣言を出して市民とともに2050年までの二酸化炭素排出ゼロをの具体策を示しています。

公共空間の緑化、電力や食糧の地産地消など240もの具体策が並んでいるというから驚きです。

バルセロナの真似をする必要はありませんが日本の都市も日本独自の方策を示す必要があることは言うまでもありません。

目標の再検討が必要です。存続自体が危ぶまれているのですから最も基本的な目標は持続です。

流行の言葉で言えばSDGsのS、サステイナブルとなります。持続するのに最も喫緊の課題は災害対応です。

地球温暖化に伴い災害は頻発し大規模化しています。これまでの同じ対応では防ぎ切れません。

国、都道府県、市町村を問わずに発想の転換が必要です。キーワードは司令塔機能の移転だと思います。

県庁所在地を兼ねる大都市へ広域的な防災の司令塔が一極集中してしまっています。

その中で東京はよりましです。政府は霞が関、都は西新宿と拠点がふたつに分離しているからです。

私の住む神奈川県は超危険です。県庁も横浜市役所も警察本部も全て横浜市の沿岸部に集中しています。

大規模な地震が起きて津波が沿岸部を襲ったらどうなるかを考えるとぞっとします。

司令塔機能が果たせずに大混乱に落ちることは必然です。少なくとも県の防災機能の移転は待ったなしです。

神奈川県全体をコントロールすることを考えれば県の中央部のどこかに適地を選ぶことは急務です。

横浜市のような巨大都市も防災の司令塔を沿岸部ではなく内陸部に移すことを至急検討すべきだと思います。

神奈川県は極端な事例ですが大阪府や愛知県を始め大都市への一極集中が進んでいる地域の防災体制は脆弱です。

司令塔機能は安全な場所に移すことが人新世時代のまちづくりにおいてはいの一番の課題です。

災害は人の命に係わる最大の課題です。危急存亡の時に際して司令塔が機能しないではしゃれになりません。